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コリン
2013.05.28 (Tue) 21:50
【性質・事実】
水溶性。
脂肪肝を防ぐ因子として発見された。
血液脳関門を通過できる数少ない物質。
神経伝達物質アセチルコリンの前駆物質である。
体内ではメチオニンから合成される。
膜リン脂質と神経伝達物質(アセチルコリン)に含まれる
ホスファチジルコリン(レシチン)の構成要素である。
脂肪中に広く分布している。
主にレシチンの構成要素であり、卵、レバー、牛肉などに含まれる。
遊離コリンとしてはレバー、大豆、ケールなどに含まれている。
体がコリンを活用できるかどうかは、体内にビタミンB12、葉酸、
L-カルニチンが一緒に存在するかによる。
【所要量】
規定無し
一般的には500〜1,000mg/day
【上限】
3,500mg/day
※アメリカ合衆国における上限量。Washington, DC, 1998, NAtional Academy Pressより
【働き】
糖質と脂質の代謝に必要な補酵素として働く。
コレステロールを乳化して、動脈や胆のうへの沈着を防ぐ。
脂肪酸と共にコリン・リン脂質を作り、細胞膜を構成する原料となる。
インパルス(神経繊維を伝わる電気的興奮)の伝達を助ける。
特に脳のなかで記憶形成に使われるインパルスの伝達に関与する。
中高年者の記憶力低下を防ぐ力となる。(1〜5g/dayが目安)
肝臓に力を貸して、毒物や薬品を排除する助けとなる。
鎮静効果を生み出す。
ホモシステインの分解を助け、一生を通して脳と血管を守る。
アルツハイマー病の治療の助けとなる。
【ヒトにおける有効性の高い症状・効果】
喘息。
胎児の神経管欠損症。
【供給源】
卵黄、レバー、小麦・米胚芽、緑色葉野菜、大豆、酵母
【欠乏症】
肝硬変、脂肪による肝臓の変性、動脈硬化、アルツハイマー
【毒性・過剰症】
知られていない。
【サプリメント】
ホスファチジルコリンもしくはホスファチジルイノシトールの形である。
殆どのビタミンBコンプレックスのサプリメントには、
コリンとイノシトールが含まれている。
【他の栄養素との関係】
イノシトールと結合してレシチンを合成する。
コリンとイノシトールの摂取により、ビタミンEの効果を高める。
【注意事項】
水、サルファ剤、エストロゲン、アルコールに弱い。
コリンの長期間の大量摂取は、ビタミンB6の欠乏を引き起こす可能性がある。
【吸収、輸送、貯蔵】
膵リパーゼおよび腸リパーゼによる、レシチンの加水分解で放出され、
キャリアを介する過程と受動拡散によって吸収される。
吸収されたコリンはキロミクロンを介して、
主にレシチンの形でリンパ循環内に運ばれる。
この形でリポタンパク質に移動し、末梢組織に分配される。
【備考・補足事項】
常に他のビタミンBと一緒に摂る必要がある。
レシチンを飲んでいる場合は、リンとカルシウムのバランスを保つため、
キレートされたカルシウムのサプリメントを摂る必要がある。
コリンは体内のリンを増やすと考えられているためである。
大量の飲酒習慣のある人は、肝臓にコリンを与えるべきである。
コリンが代謝されるときに、ニトロソアミンという一種の発ガン物質が
産出されるが、ビタミンCが不足していなければ取り除いてくれる。
参考文献
「ビタミンバイブル」 アールミンデル 著, 丸元淑生 訳 (小学館)
「健康・栄養 -知っておきたい基礎知識-」 独立行政法人 国立健康・栄養研究所(第一出版)
「ビタミン・ミネラル革命」 山田豊文 著 (総合法令)
「健康・栄誉食品事典(2006−2007 改訂新版)」 奥田拓道 監修(東洋医学舎)
「食品・栄養・食事療法事典」L.Kathleen 他48名 著 /日本語監修:木村修一・香川靖雄(産調出版)
「奇跡の脳をつくる食事とサプリメント」 ジーン・カーパー 著, 丸元淑生 訳 (角川春樹事務所)
「サプリメント・健康食品の効き目と安全性」 田中平三 著 (同文書院)
◆ 各種ビタミン
ビタミンA (レチノイド)
ビタミンB1 (チアミン)
ビタミンB2 (リボフラビン)
ビタミンB3 (ナイアシン)
ビタミンB5 (パントテン酸)
ビタミンB6 (ピリドキシン)
ビタミンB8 (イノシトール)
ビタミンB9 (葉酸)
ビタミンB12 (コバラミン)
ビタミンC (アスコルビン酸)
ビタミンD (カルシフェロール)
ビタミンE (トコフェロール)
ビタミンF (不飽和脂肪酸)
ビタミンH (ビオチン)
ビタミンK (フィロキシン)
ビタミンP (フラボノール類)
ビタミンT
ビタミンU
コリン
PABA (パラアミノ安息香酸)