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 栄養素・食品データ【ビタミン】 
ビタミンB5 (パントテン酸) 
2013.05.25 (Sat) 17:25
【性質・事実】
水溶性。通称「抗ストレスビタミン」
鶏ペラグラ治療因子として発見されたビタミンB2複合体である。
ギリシア語で「いたるところ」を意味し、
その名の通り食品中に広く分布しているため、欠乏症の患者は希である。
CoAと合成反応に使われるACP(Acyl-Carrier Protein)の
構成成分であり、脂肪と糖のエネルギーへの転換に不可欠である。
腸内細菌によって体内で合成される。
【所要量】
5mg
【上限】
規定無し
※所要量、上限は成人男性を基準にしています。
その他の年齢・性別に関しては、こちらのビタミン摂取基準を参照(PDF)
【働き】
細胞の構築、正常な成長の維持、中枢神経の発達を助ける。
傷の治りをよくする。
抗体を作って感染とたたかう。
疲労を防ぐ。
多くの抗生物質の副作用、毒性を減らす。
コレステロール値と中性脂肪値を下げる。
痛風の症状を和らげる。
【供給源】
赤身肉、レバー、心臓、鶏肉、卵黄、緑色野菜、酵母、精白米、
アボカド、ブロッコリー、酵母、サツマイモ、未精製の糖蜜
【欠乏症】
欠乏症は希である。観察された例は以下の通り。
低血糖症、十二指腸潰瘍、脚の爪先と踵の異常感覚
脚の灼熱感、鬱状態、疲労、不眠、虚弱
【毒性・過剰症】
いかなる種にも、大量摂取による有害影響は報告されていない。
10g/dayをヒトに投与しても、軽い腸の痛みと下痢が起きかけただけである。
【サプリメント】
一般的な配合として、ビタミンBコンプレックスの中に10〜100mg含有。
【他の栄養素との関係】
ビタミンCとの組み合わせで、アレルギー症状が緩和する可能性がある。
摂取量は各々1,000mg/day
【注意事項】
熱、缶詰にする、カフェイン、サルファ剤、睡眠剤、
エストロゲン、アルコールで失われる。
【吸収、輸送、貯蔵】
パントテン酸は食物中にCoAおよびACPとして存在する。
吸収されるためには加水分解される必要がある。
加水分解されてホスパントテインとなり、その後パントテン酸に変換される。
パントテン酸は十二指腸で受動拡散と能動輸送によって吸収される。
融解した遊離酸として血漿に入り、拡散によって赤血球に取り込まれる。
細胞内でCoAに変換される。肝臓、副腎、腎臓、脳、心臓、精巣では
CoAの形で存在する。
【備考・補足事項】
手足にちくちくした痛みを感じるのなら、他のビタミンB群と組み合わせて
パントテン酸の摂取量を増やすと、症状が改善されるかもしれない。
血中コレステロール値を下げることが目的なら、1,000mg/dayが目安。
1,000mg/dayの摂取で、場合によっては関節炎の痛みも和らぐかもしれない。
参考文献
「ビタミンバイブル」 アールミンデル 著, 丸元淑生 訳 (小学館)
「健康・栄養 -知っておきたい基礎知識-」 独立行政法人 国立健康・栄養研究所(第一出版)
「ビタミン・ミネラル革命」 山田豊文 著 (総合法令)
「健康・栄誉食品事典(2006−2007 改訂新版)」 奥田拓道 監修(東洋医学舎)
「食品・栄養・食事療法事典」L.Kathleen 他48名 著 /日本語監修:木村修一・香川靖雄(産調出版)
◆ 各種ビタミン
ビタミンA (レチノイド)
ビタミンB1 (チアミン)
ビタミンB2 (リボフラビン)
ビタミンB3 (ナイアシン)
ビタミンB5 (パントテン酸)
ビタミンB6 (ピリドキシン)
ビタミンB8 (イノシトール)
ビタミンB9 (葉酸)
ビタミンB12 (コバラミン)
ビタミンC (アスコルビン酸)
ビタミンD (カルシフェロール)
ビタミンE (トコフェロール)
ビタミンF (不飽和脂肪酸)
ビタミンH (ビオチン)
ビタミンK (フィロキシン)
ビタミンP (フラボノール類)
ビタミンT
ビタミンU
コリン
PABA (パラアミノ安息香酸)