本サイトは、特定メーカーの健康食品を推奨・広告する意図は微塵もございません。  home 
 栄養素・食品データ【ビタミン】 
ビタミンD (カルシフェロール)
2013.06.02 (Sun) 14:50
【性質・事実】
脂溶性。通称「日光ビタミン」
抗くる病因子としてタラの肝油中から発見された。
熱や酸に対して安定している。
ビタミンD2(エルゴカルシフェロール)と、
ビタミンD3(コレカルシフェロール)の2種類があるが、体内では効力は同じである。
D2はキノコ類などの植物性食品に、D3は動物性食品に含まれる。
紫外線が皮膚の脂肪に作用して、体内でD3が合成される。
経口摂取されると、小腸壁から脂肪と一緒に吸収される。
単位は国際単位「IU」またはマイクログラム(カルシフェロールmcg)。
スモッグはビタミンDを作る太陽光線を減らす。
十分に日焼けをすると、皮膚を通して合成される代謝が止まる。
【所要量】
100IU
【上限】
2,000IU
※所要量、上限は成人男性を基準にしています。
その他の年齢・性別に関しては、こちらのビタミン摂取基準を参照(PDF)
【働き】
身体が必要とするカルシウムとリンが適切に使えるようにする。
結膜炎の治療に役立つ。
小腸からのカルシウム吸収の促進ならびに
骨におけるカルシウムの溶出と沈着の調整を行う。
筋肉と血液中のカルシウム濃度を調整する。
以下のホルモンと協働して生体のカルシウムの恒常性を維持する。
 副甲状腺ホルモン、カルシトニン、女性ホルモン、
 カルシウム代謝調節ホルモン
腎尿細管でのカルシウムの再吸収の促進、副甲状腺ホルモンの分泌抑制。
種種のガン細胞に対する増殖抑制や分化誘導作用。
結腸ガンに対する予防効果。
【ヒトにおける有効性の高い症状・効果】
骨粗鬆症。
くる病。 甲状腺・副甲状腺ホルモン値の低下による低カルシウム血症。
腎不全による低カルシウム血症。
副腎皮質ステロイド服用時の骨密度減少。
ファンコニ症候群による低リン酸塩血症。
多発性硬化症予防。
高齢女性の慢性関節リウマチ予防。
骨形成以上。
【供給源】
魚の肝油、カツオ、アンコウの肝、いわし、にしん、鮭、まぐろ
しろきくらげ、きくらげ、干し椎茸、
【欠乏症】
くる病、虫歯、骨軟化症、老人性骨粗鬆症、疲労
【毒性・過剰症】
20,000IU/dayを長期にわたって摂取すると毒性があらわれる。
毒性の徴候は以下の通り。
 喉の渇き、眼の痛み、皮膚のかゆみ、吐き気、腹痛、下痢、頻尿
 肝臓・肺・腎臓・胃への異常なカルシウムの沈着。
特に腎結石・腎不全の人には注意が必要である。
急性高カルシウム血症をきたすリスクもある。
【サプリメント】
魚の肝油由来のものが一般的である。
【他の栄養素との関係】
ビタミンAの吸収を助ける。
ビタミンA、Cと同時に摂ると風邪の予防の助けとなる。
カルシウムの吸収を促進する。
マグネシウムにより活性化する。
【注意事項】
皮膚の色の濃く、北方型の土地に住んでいる人は
ビタミンDの摂取量を増やす必要がある。
犬や猫にビタミンDのサプリメントを与えてはいけない。
合成のビタミンDは、体内のマグネシウムを激減させる。
【吸収、輸送、貯蔵】
他の脂質と共にミセルに取り込まれ、
脂質と共に受動拡散で腸に吸収される。
吸収細胞の内側でキロミクロンに取り込まれてリンパ系、続いて血漿に入り、
肝臓もしくはトランスカルシフェリン(ビタミンD結合タンパク質)に運ばれる。
この吸収過程の効率はおよそ50%と考えられる。
肝臓を経て腎臓に送られ、そこで活性型ビタミンDとなる。
これが小腸からのカルシウムやリンの吸収を促進させて、骨まで搬送する。
皮膚でコレステロールから合成されたビタミンDは毛細血管系に入り、
末梢組織に運ばれる。
ビタミンDは肝臓には殆ど貯蔵されない。
【備考・補足事項】
シイタケなどキノコ類や酵母に多く含まれているエルゴステロールは、
紫外線を浴びるとエルゴカルシフェロールになり、
体内に取り込まれてビタミンDになる。
生恣意あけは食べる前に日光に当てると、ビタミンD2の含有量が増える。
参考文献
「食品・栄養・食事療法事典」L.Kathleen 他48名 著 /日本語監修:木村修一・香川靖雄 (産調出版)
「健康・栄養 -知っておきたい基礎知識-」 独立行政法人 国立健康・栄養研究所 (第一出版)
「健康・栄誉食品事典(2006−2007 改訂新版)」 奥田拓道 監修 (東洋医学舎)
「ビタミン・ミネラル・植物栄養素の最新情報」 平畑徹幸 著 (素朴社)
「ビタミンバイブル」 アールミンデル 著, 丸元淑生 訳 (小学館)
「ガンは栄養療法で治る」 パトリック・クイリン著, 今村光一 訳 (中央アート出版)
「ビタミンサバイバル」 牧瀬忠廣 著 (ビジネス社)
「サプリメント・健康食品の効き目と安全性」 田中平三 著 (同文書院)
◆ 各種ビタミン
ビタミンA (レチノイド)
ビタミンB1 (チアミン)
ビタミンB2 (リボフラビン)
ビタミンB3 (ナイアシン)
ビタミンB5 (パントテン酸)
ビタミンB6 (ピリドキシン)
ビタミンB8 (イノシトール)
ビタミンB9 (葉酸)
ビタミンB12 (コバラミン)
ビタミンC (アスコルビン酸)
ビタミンD (カルシフェロール)
ビタミンE (トコフェロール)
ビタミンF (不飽和脂肪酸)
ビタミンH (ビオチン)
ビタミンK (フィロキシン)
ビタミンP (フラボノール類)
ビタミンT
ビタミンU
コリン
PABA (パラアミノ安息香酸)