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 栄養素・食品データ【ビタミン】 
ビタミンB9 (葉酸)
2013.05.25 (Sat) 20:30
【性質・事実】
水溶性。
サルの血球欠乏治療因子として、ほうれん草の葉から発見された。
ビタミンMとも言われる。
赤血球および白血球細胞の形成に不可欠。
細胞分裂に不可欠。
体が糖とアミノ酸を使うのに必要。
【所要量】
200mcg
【上限】
1mg
※所要量、上限は成人男性を基準にしています。
その他の年齢・性別に関しては、こちらのビタミン摂取基準を参照(PDF)
【働き】
ホモシステインの血中値を下げる。
異常出産を防ぐ。
母乳の出を良くする。
腸内の寄生虫や食中毒から守る。
より健康的な皮膚を形成する。
鎮痛剤として働く。
衰弱時に食欲を増進させる。
口腔内の潰瘍を予防する。
貧血を防ぐ。
たんぱく質の代謝を助ける。
核酸(DNA、RNA)を作るのに重要な役割を果たす。
巨赤芽性貧血を予防する。
鎌状赤血球症の改善。
口唇裂、口蓋裂の予防をする。
尿酸の生成をする酵素「キサンチン・オキシダーゼ」を抑制する。
【ヒトにおける有効性の高い症状・効果】
下記欠乏症。
血中ホモシステイン値の低減。
胎児の神経管障害予防。
結腸・膵臓・乳ガン予防。
白斑。
【供給源】
レンズ豆、白インゲン、ほうれん草、アスパラガス、ブロッコリー
白菜、フレッシュオレンジジュース、卵黄、レバー、アボカド、バナナ
【欠乏症】
栄養性大赤血球性貧血。
全身虚弱、鬱状態、多発性神経症。

DNA、RNAの生合成が妨げられて細胞分裂が減少するため、
赤血球・白血球細胞、胃、腸、膣、子宮の上皮細胞のような
急速に増殖する細胞で顕著に見られる。
【毒性・過剰症】
毒性は知られていない。
過剰症では亜鉛を利用できなくなる可能性が示唆されている。
皮膚にアレルギー反応を起こす人が少数いる。
【サプリメント】
葉酸(Folic Acid)と葉酸塩(Folate)の二種類がある。
Folateの方が、体内で利用するにあたり効率が良い。
葉酸塩とビタミンB12の両方が入っているものが望ましい。
【他の栄養素との関係】
ビタミン6,12と協働して血中のホモシステイン値を下げる。
パントテン酸とPABAと併用して摂取すると、
白髪になるのを遅らせる可能性がある。
ビタミンCを大量に摂取すると、B12・葉酸は尿からの排泄量が増える。
【注意事項】
水、サルファ剤、日光、エストロゲン、煮込み、熱に弱い。
食品中の還元型は酸化されやすく、高音加工の間に50-90%が失われる。
過剰の葉酸は、ビタミンB12の欠乏による貧血を
判別できなくなる可能性がある。
ビタミンCを1日に2,000mg以上摂っている場合は
葉酸の摂取量も増やした方がいい。
大量摂取は、ある種の抗がん剤の働きを妨げる。
抗てんかん剤(フェニトイン)の投与をしている人は、
大量の葉酸摂取で痙攣を引き起こすリスクがある。
【吸収、輸送、貯蔵】
食事性葉酸は、5-メチルテトラヒドロ葉酸と
5-ホルミルテトラヒドロ葉酸としてのみ吸収される。
吸収は主に十二指腸で能動輸送によって起こるが、
大量摂取された場合は受動拡散によっても吸収される。
【備考・補足事項】
日常的に大量の飲酒をしているのなら、葉酸の摂取量を増やした方がいい。
葉酸の状態は、赤血球の葉酸濃度を測定して評価するが、
血漿ホモシステイン濃度と組み合わせる場合もある。
鉄とビタミンCの欠乏によって、葉酸の利用が悪化する恐れがある。
【考察】
長年、葉酸と葉酸塩は区別なく表記されてきたが、
米国のサプリメントは明確に記してある。
日本国内においては、ほぼ皆無であると推察される。
葉酸は肝臓内でメチル葉酸塩に変換された後に小腸に分泌され、
再び小腸から吸収して体中へ行き渡るプロセスがあるため、
サプリメントの形で摂取するのなら、Folate(葉酸塩)と
明記された商品を利用したいところである。
ホモシステイン対策として、日本国内でもB6,B12,Folateの組み合わせの
サプリメントが入手できるようになる日はいつのことか。
参考文献
「ビタミンバイブル」 アールミンデル 著, 丸元淑生 訳 (小学館)
「健康・栄養 -知っておきたい基礎知識-」 独立行政法人 国立健康・栄養研究所(第一出版)
「ビタミン・ミネラル革命」 山田豊文 著 (総合法令)
「健康・栄誉食品事典(2006−2007 改訂新版)」 奥田拓道 監修(東洋医学舎)
「食品・栄養・食事療法事典」L.Kathleen 他48名 著 /日本語監修:木村修一・香川靖雄(産調出版)
「サプリメント・健康食品の効き目と安全性」 田中平三 著 (同文書院)
◆ 各種ビタミン
ビタミンA (レチノイド)
ビタミンB1 (チアミン)
ビタミンB2 (リボフラビン)
ビタミンB3 (ナイアシン)
ビタミンB5 (パントテン酸)
ビタミンB6 (ピリドキシン)
ビタミンB8 (イノシトール)
ビタミンB9 (葉酸)
ビタミンB12 (コバラミン)
ビタミンC (アスコルビン酸)
ビタミンD (カルシフェロール)
ビタミンE (トコフェロール)
ビタミンF (不飽和脂肪酸)
ビタミンH (ビオチン)
ビタミンK (フィロキシン)
ビタミンP (フラボノール類)
ビタミンT
ビタミンU
コリン
PABA (パラアミノ安息香酸)