本サイトは、特定メーカーの健康食品を推奨・広告する意図は微塵もございません。  home 
 栄養素・食品データ【ビタミン】 
ビタミンB12 (コバラミン)
2013.05.25 (Sat) 21:40
【性質・事実】
水溶性。物質名は「シアノコバラミン」
抗悪性貧血因子として発見されたビタミン。
葉酸と共に造血に関わるため、「赤いビタミン」と呼ばれている。
ごく少量の摂取でも効果がある。
必須ミネラル(コバルト)を構成要素に含む、唯一のビタミン。
体が適切に使うにあたり、吸収の過程でカルシウムと結合する必要がある。
甲状腺が正常に機能していると、ビタミンB12の吸収は順調に行われる。
水溶性ビタミンの中で、唯一体に蓄えられる。
蓄えが底をつくまでには3年かかる。
欠乏の症状はB12の蓄えを使い果たしてから、5年以上経って現れる。
ヒトの食事では、主として動物性食品から摂取される。
【所要量】
2.4mcg
【上限】
規定無し
※所要量、上限は成人男性を基準にしています。
その他の年齢・性別に関しては、こちらのビタミン摂取基準を参照(PDF)
【働き】
赤血球を形成・再生し、貧血を防ぐ。
アミノ酸のホモシステインの代謝を助け、心臓病のリスクを下げる。
成長を促進し、子供の食欲を増進させる。
脂肪、炭水化物、たんぱく質が適切に利用されるようにする。
刺激に対する過敏な反応をなくす。
集中力、記憶力を高め、精神を安定させる。
喫煙による発ガンを防ぐ助けをする。
【ヒトにおける有効性の高い症状・効果】
下記欠乏症。
高ホモシステイン血症。
【供給源】
牛レバー、アサリ、牛肉、豚肉、カニ、ツナ、卵、チーズ、ミルク
【欠乏症】
巨赤芽性貧血、悪性貧血
赤血球新生不全に併発する横断による皮膚と眼の黄染、舌の肥大化
以下の神経障害
 ・足の感覚麻痺・しびれ・灼熱感・足の硬直
【毒性・過剰症】
毒性は認められない。
【サプリメント】
単体では、日本においては販売されていない。
胃では吸収されづらいので、舌下錠か腸溶性(enteric coating)カプセルの
サプリメントが望ましい。含有量は50mcgから2,000mcgまである。
【他の栄養素との関係】
ビタミンB群だけでなく、ビタミンA,C,Eとも相乗的に働く。
【注意事項】
酸、アルカリ、水、日光、アルコール、エストロゲン、睡眠薬で失われる。
高齢者で吸収が悪い人の場合は、注射で摂取することが望ましい。
【吸収、輸送、貯蔵】
このビタミンは食品中のたんぱく質と結合しており、
胃のペプシン消化により切り離されなくてはならない。
その後、胃内でRたんぱく質(コバロフィリン)と結合して小腸に移動する。
そこでRタンパク質は加水分解されてコバラミンと結合する。
回腸で吸収された後は、門脈・肝臓経由で、トランスコバラミンと呼ばれる
血漿Rタンパク質と結合する。
【備考・補足事項】
適切な栄養を摂取していれば、2mgほど肝臓に蓄えられ、
主としてアデノシルコバラミンの形で5〜7年分貯蔵される。
このビタミンはアデノシルコバラミンとメチルコバラミンという
2つの補酵素として機能する。
プロピオン酸、アミノ酸、1炭素の代謝に重要な役割を果たす。
これは全ての細胞、とくに胃腸管・骨髄・神経組織の細胞の
正常な代謝に不可欠であるため、このビタミンの欠乏は
血漿および尿のメチルマロン酸、アミノイソカプロン酸、
およびホモシステインのレベルが上昇する。
卵、乳製品を摂らないベジタリアンに不足するビタミンである。
発酵食品で摂取できると考えられているが、
1988年Specker et alの分析ではその説は否定される。
卵を禁止していないベジタリアンならば、欠乏症は避けることが出来る。
牛乳に関しては、低温殺菌もしくは濃縮されると大部分が失われる。
葉酸と結合したビタミンB12は、最も効果的な活力剤となる。
【考察】
植物性とも言えるスピルリナなどにもこのビタミンは含まれているが、
絶対量は非常に少ないため、ベジタリアンは海草類、
もしくはビールで補うことが出来るビタミンとも言える。
ビールを飲む口実が、こうしてまた一つ増えるわけでご機嫌になれる。
参考文献
「ビタミンバイブル」 アールミンデル 著, 丸元淑生 訳 (小学館)
「健康・栄養 -知っておきたい基礎知識-」 独立行政法人 国立健康・栄養研究所(第一出版)
「ビタミン・ミネラル革命」 山田豊文 著 (総合法令)
「健康・栄誉食品事典(2006−2007 改訂新版)」 奥田拓道 監修(東洋医学舎)
「食品・栄養・食事療法事典」L.Kathleen 他48名 著 /日本語監修:木村修一・香川靖雄(産調出版)
「サプリメント・健康食品の効き目と安全性」 田中平三 著 (同文書院)
◆ 各種ビタミン
ビタミンA (レチノイド)
ビタミンB1 (チアミン)
ビタミンB2 (リボフラビン)
ビタミンB3 (ナイアシン)
ビタミンB5 (パントテン酸)
ビタミンB6 (ピリドキシン)
ビタミンB8 (イノシトール)
ビタミンB9 (葉酸)
ビタミンB12 (コバラミン)
ビタミンC (アスコルビン酸)
ビタミンD (カルシフェロール)
ビタミンE (トコフェロール)
ビタミンF (不飽和脂肪酸)
ビタミンH (ビオチン)
ビタミンK (フィロキシン)
ビタミンP (フラボノール類)
ビタミンT
ビタミンU
コリン
PABA (パラアミノ安息香酸)