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 栄養素・食品データ【ビタミン】 
ビタミンB6 (ピリドキシン) 
2013.05.25 (Sat) 18:10
【性質・事実】
水溶性。
ネズミの皮膚炎症を改善する因子として発見された。
ピリドキシン、ピリドキサル、ピリドキサミンなどと
同様の作用を持つ化合物の総称である。
摂取後8時間以内に排泄される。
体内ではピリドキサールリン酸となり、多くのアミノ基転移酵素や
アミノ酸脱炭酸酵素などの補酵素として、アミノ酸代謝を維持する役割を果たす。
たんぱく質を多量に摂った場合には、必要量が増す。
血糖値の安定に不可欠。
抗体、赤血球の産出に不可欠。
松果体を刺激し、メラトニンの分泌を促す。
乳製品にはあまり含まれていない。
腸内細菌による産出の証拠が挙げられているが、期待しない方がいい。
セルロースが豊富な植物性主体の食事が必要だからである。
【所要量】
1.6mg
【上限】
100mg
※所要量、上限は成人男性を基準にしています。
その他の年齢・性別に関しては、こちらのビタミン摂取基準を参照(PDF)
【働き】
塩酸を産出する役割を担う。
免疫システムを強化する。
腎臓結石を防ぐ助けをする。
たんぱく質と脂肪の適切な吸収。
嘔吐を緩和する。
(つわりに対する処方薬にはビタミンB6が含まれている)
抗うつ薬による口の渇きや排尿障害の緩和。
夜間の筋痙縮、足の引きつり、手のしびれを減らす。
自然の利尿剤として働く。 核酸の正常な合成を促進する。
【ヒトにおける有効性の高い症状・効果】
下記欠乏症。
鉄芽球性貧血。(鉄を利用できないために生じる貧血)
つわり。
月経前症候群(PMS)
セロトニン値の低い子どもの行動性障害。
腎臓結石。
喫煙者の肺がん予防。
【供給源】
肉、レバー、魚、卵、ピーナッツ、くるみ、じゃがいも、バナナ
全粒穀物製品(小麦や米)、ビール酵母、キャベツ、カンタループメロン
【欠乏症】
虚弱、眠気、末梢神経障害、口唇症、口内炎、
貧血、脂漏性皮膚炎、舌炎
【毒性・過剰症】
毒性は低いが、大量投与(1日数グラム)すると、
歩調と末梢性感覚の変化が現れる。
過剰症の徴候は、欠乏症のものに似ているものが多い。
【サプリメント】
50mgから500mgまで、様々な量の製品が揃っている。
他のビタミンの欠乏を招かないよう、B1、B2と当量が望ましい。
【他の栄養素との関係】
適切な吸収が行われるためには、ビタミンB12が必要。
葉酸、ビタミンB12と協働してアミノ酸のホモシステインを破壊する。
ホモシステインは動脈硬化の要因の一つである。
トリプトファンをナイアシンに転換するのを助ける。
ビタミンB1,2、パントテン酸、ビタミンC、マグネシウムとの組み合わせが
パフォーマンスを高める。
【注意事項】
1日500mg異常の摂取は勧められない。
長期間の保存、オーブンでロースト・煮込みによる調理、
冷凍、水、紫外線、アルコール、エストロゲンで失われる。
避妊ピルを服用しているのなら、必要量は増えている。
たんぱく質を多量に摂っているのなら、余計にB6を摂取したほうがいい。
インスリンの必要量を減らすため、低血糖反応を引き起こすリスクがある。
パーキンソン病でレボドバの投薬を受けている人は、
薬の作用を減弱させるのでB6は摂取してはいけない。
【吸収、輸送、貯蔵】
リン酸化された形で受動核酸により、十二指腸と回腸で吸収される。
PLP(ピリドキサールリン酸 -pyridoxal phosphate)の形で血中に存在し、
肝臓のフラビン酵素による代謝の後に取り出される。
殆どがアルブミンと結合しており、細胞に取り込まれる際、
脱リン酸反応でPL(ピリドキサール pyridoxal)となり、取り込まれた後
再びPLPとPMP(ピリドキサミンリン酸 pyridoxamine phosphate)になる。
【備考・補足事項】
植物由来のビタミンB6は、グリコシル化していることが多く、
生体利用効率が悪い。
動物性食品のほうが効率が良い。
過剰摂取により、夢を異常にはっきり思い出すことがある。
【考察】
就寝前に5-HTPと併用して飲むと、素敵な夢空間にトリップできるかもしれない。
個人的には全くお勧めいたしませんが。
参考文献
「ビタミンバイブル」 アールミンデル 著, 丸元淑生 訳 (小学館)
「健康・栄養 -知っておきたい基礎知識-」 独立行政法人 国立健康・栄養研究所(第一出版)
「ビタミン・ミネラル革命」 山田豊文 著 (総合法令)
「健康・栄誉食品事典(2006−2007 改訂新版)」 奥田拓道 監修(東洋医学舎)
「食品・栄養・食事療法事典」L.Kathleen 他48名 著 /日本語監修:木村修一・香川靖雄(産調出版)
「サプリメント・健康食品の効き目と安全性」 田中平三 著 (同文書院)
◆ 各種ビタミン
ビタミンA (レチノイド)
ビタミンB1 (チアミン)
ビタミンB2 (リボフラビン)
ビタミンB3 (ナイアシン)
ビタミンB5 (パントテン酸)
ビタミンB6 (ピリドキシン)
ビタミンB8 (イノシトール)
ビタミンB9 (葉酸)
ビタミンB12 (コバラミン)
ビタミンC (アスコルビン酸)
ビタミンD (カルシフェロール)
ビタミンE (トコフェロール)
ビタミンF (不飽和脂肪酸)
ビタミンH (ビオチン)
ビタミンK (フィロキシン)
ビタミンP (フラボノール類)
ビタミンT
ビタミンU
コリン
PABA (パラアミノ安息香酸)