本サイトは、特定メーカーの健康食品を推奨・広告する意図は微塵もございません。  home 
 栄養素・食品データ【ビタミン】 
ビタミンB3 (ナイアシン) 
2013.05.25 (Sat) 15:17
【性質・事実】
水溶性。
ニコチンアミドとニコチン酸の総称である。
必須アミノ酸のトリプトファンを使い、体内合成できる。
ただし、ビタミンB1,2,6が不足すると合成ができないうえ、効率もよくない。
神経系の健康と脳の機能のためにも必要。
加熱調理や保存によっても効力は殆ど失われない。
不足により、人格にネガティブな変化が起きる。
以下のホルモンの合成に不可欠
・エストロゲン・プロゲステロン・テストステロン
・コルチゾン・チロキシン・インシュリン
全ての細胞のエネルギー産生と代謝に不可欠である。
【所要量】
16mg
【上限】
30mg
※所要量、上限は成人男性を基準にしています。
その他の年齢・性別に関しては、こちらのビタミン摂取基準を参照(PDF)
【働き】
コレステロール、中性脂肪を減らす。
脂肪の代謝を助け、胃腸障害を緩和する。
偏頭痛を予防、痛みの和らげる。
血液循環をよくし、血圧を下げる。
下痢の発作を和らげる。
メヌエル症候群の不快な症状を減らす。
口腔、唇の潰瘍を治し、口臭を消す。
二日酔いの原因である、アセトアルデヒドを代謝する補酵素として働く。
【ヒトにおける有効性の高い症状・効果】
ナイアシン欠乏症。
ペラグラ。
高コレステロール。
【供給源】
赤身肉、レバー、鶏肉、落花生、酵母
【欠乏症】
・初期
 筋肉虚弱、無食欲、消化不良、皮膚の発疹
・進行後
 ペラグラ、皮膚炎、痴呆、下痢、震え、舌炎
皮膚が太陽光線に敏感になるのは、欠乏症の初期症状である場合が多い。
【毒性・過剰症】
毒性はない。
尿酸のコントロールを妨げ、痛風の発作が起きる場合がある。
血中ナイアシン値が高すぎると、血糖処理能力が妨げられる。
【サプリメント】
1日に100mg以上のナイアシンを摂取すると、顔面紅潮や皮膚のかゆみが生じる。
紅潮をおこさない、ノーフラッシュタイプのナイアシンアミド、
イノシトールヘキサニコチネートがある。
紅潮をおこす普通のナイアシンの場合でも、食後に同僚のイノシトールと
摂取すれば、最大限に防ぐことが出来る。
良質のビタミンB群、マルチビタミンのサプリには50〜100mg含まれている。
【他の栄養素との関係】
ビタミンB6が欠乏すると、相対的にナイアシンも欠乏する。
【注意事項】
動物、特に犬に与えてはいけない。
長期間大量に摂取すると、肝臓の機能が低下するリスクがある。
水、サルファ剤、アルコール、睡眠薬、エストロゲンで壊れる。
ノーフラッシュタイプのナイアシンアミド、イノシトールヘキサニコチネートは
血中コレステロール値を低下させない。
主な副作用はヒスタミンの放出。
ぜんそくや消化性潰瘍の患者には有害となる。
【吸収、輸送、貯蔵】
動物性のナイアシンは補酵素の形で存在し、消化されて初めて
吸収できる形のニコチンアミドとニコチン酸となる。
植物性では、ペプチドと炭水化物に共有結合した複合体の形をとる
ナイアシンを含んでいるが、これらは消化過程では遊離しない。
これらナイアシチンと総称される複合体は生体利用ができないが、
アルカリ加水分解によって利用可能となる。
中央アメリカで、トウモロコシを石灰水に浸す慣習はそういった理由がある。
最終的に胃と小腸でキャリアを介する促進拡散によって吸収される。
どちらも遊離した形で血漿に入って運ばれ、
殆どの組織で受動拡散により取り込まれる。
【備考・補足事項】
ナイアシン単体で摂取する場合は、空腹時は避ける。
食後すぐに、冷たい飲み物と一緒に飲む。
抗ヒスタミン剤も併用する。紅潮の最大の原因はヒスタミンによる。
医師との相談を欠かさない。
特に医薬品の投与を受けている場合は、相互作用がある。
大量投与は栄養補給剤ではなく、薬物として作用するので
慎重にモニターする必要がある。
動物実験では放射線治療で効果が上がりにくい種類のガンに対し、
効果を劇的に高める。
参考文献
「ビタミンバイブル」 アールミンデル 著, 丸元淑生 訳 (小学館)
「健康・栄養 -知っておきたい基礎知識-」 独立行政法人 国立健康・栄養研究所(第一出版)
「健康・栄誉食品事典(2006−2007 改訂新版)」 奥田拓道 監修(東洋医学舎)
「食品・栄養・食事療法事典」L.Kathleen 他48名 著 /日本語監修:木村修一・香川靖雄(産調出版)
「ガンは栄養療法で治る」 パトリック・クイリン著, 今村光一 訳 (中央アート出版)
「サプリメント・健康食品の効き目と安全性」 田中平三 著 (同文書院)
◆ 各種ビタミン
ビタミンA (レチノイド)
ビタミンB1 (チアミン)
ビタミンB2 (リボフラビン)
ビタミンB3 (ナイアシン)
ビタミンB5 (パントテン酸)
ビタミンB6 (ピリドキシン)
ビタミンB8 (イノシトール)
ビタミンB9 (葉酸)
ビタミンB12 (コバラミン)
ビタミンC (アスコルビン酸)
ビタミンD (カルシフェロール)
ビタミンE (トコフェロール)
ビタミンF (不飽和脂肪酸)
ビタミンH (ビオチン)
ビタミンK (フィロキシン)
ビタミンP (フラボノール類)
ビタミンT
ビタミンU
コリン
PABA (パラアミノ安息香酸)