本サイトは、特定メーカーの健康食品を推奨・広告する意図は微塵もございません。  home 
 栄養素・食品データ【ビタミン】 
ビタミンK
2013.06.02 (Sun) 23:13
【性質・事実】
脂溶性。
血液凝固に関する因子として発見されたビタミン。
単位はmcg(マイクログラム)
Kはドイツ語の「Koagulation (血液凝固の意)」の頭文字を取ったもの。
以下の三種類がある。
 ・K1 緑葉野菜に含まれるフィロキノン
 ・K2 納豆などの発酵食品に含まれるメサキノン
 ・K3 人工合成ビタミンのメナジオン
1と2は腸内細菌にて体内で作られる。
3のメナジオンの方が1と2よりも生理活性が強い。
抗がん剤「ドキソルビシン」と化学構造が似ている。
【所要量】
65mcg
【上限】
30,000mcg
※所要量、上限は成人男性を基準にしています。
その他の年齢・性別に関しては、こちらのビタミン摂取基準を参照(PDF)
【働き】
肝臓で合成される、血液を凝固させる物質「プロトロンビン」の形成に不可欠。
内出血と破れた血管などからの体内出血を予防する。
月経時の多量出血を減らす。
適切な血液の凝固を促す。
血管内の有害な凝固を抑制する因子に作用。
カルシウムの骨への沈着、ビタミンDによる骨からのカルシウムの溶出に関わる。
【ヒトにおける有効性の高い症状・効果】
下記欠乏症。
骨粗鬆症。
【供給源】
緑葉野菜(ほうれん草、レタス、ブロッコリー、キャベツ)
納豆、ヨーグルト、アルファルファ
卵黄、紅花油、大豆油、魚の肝油、海藻
【欠乏症】
脂肪性下痢、脂肪便症、大腸炎、出血傾向
【毒性・過剰症】
・フィロキノン(K1)、メサキノン(K2)
 いかなる投与経路でも有害影響を示さない。
・メナジオン(K3)においては発汗、紅潮、
 吐き気、嘔吐、赤血球破壊による溶血性貧血。
【サプリメント】
数十mcgから数百mcg含有しているものが多い。
【他の栄養素との関係】
カルシウムの働きを助け、骨の形成に関わる。
抗がん剤と放射線治療を行う二週間前からビタミンCと摂取することにより、
ガン細胞殺傷効果を高める可能性が高い。
【注意事項】
抗生物質、X線、放射線、アスピリン、鉱油、大気汚染に弱い。
メナジオン(K3)を500mcg/day以上摂取することは勧められない。
ワルファリン、ジクマロールのような血液凝固剤をはじめとする、
還元型ビタミンK再生阻害剤により、ビタミンKの代謝が妨げられる。
【吸収、輸送、貯蔵】
フィロキノン(K1)は小腸にて吸収される。
メナキノン(K2)とメナジオン(K3)は小腸と結腸で受動拡散により吸収。
他の脂溶性ビタミン同様、吸収は微量の食事由来の脂肪と胆汁塩、
および膵液に依存している。
吸収後は肝臓に運ばれ、VLDLに取り込まれ、低密度リポタンパク質によって
末梢神経に輸送される。
様々な組織に低濃度で含まれ、細胞膜中に存在する。
メナジオン(K3)は肝臓に蓄積する。
大部分の組織はフィロキノンとメナキノンを含有している。
【備考・補足事項】
フィロキノンは吸収前の細菌による脱アルキル化と再アルキル化により、
メナキノンに変換される。メナジオンは最も早く代謝され、
尿中にリン酸塩、硫酸塩として排泄される。
納豆1パックで所要量の倍以上は摂取可能である。
長期にわたる肝疾患、吸収障害、抗生物質の服用以外では、
殆ど欠乏症は見られない。
肝臓に蓄積されたメナジオン(K3)は有害になることもあるが、
抗ガン作用の面ではフィロキノン、メサキノンよりも遙かに強力である。
参考文献
「食品・栄養・食事療法事典」L.Kathleen 他48名 著 /日本語監修:木村修一・香川靖雄 (産調出版)
「健康・栄養 -知っておきたい基礎知識-」 独立行政法人 国立健康・栄養研究所 (第一出版)
「健康・栄誉食品事典(2006−2007 改訂新版)」 奥田拓道 監修 (東洋医学舎)
「ビタミン伝説の真実」 生田哲 著 (祥伝社)
「ビタミン・ミネラル・植物栄養素の最新情報」 平畑徹幸 著 (素朴社)
「ビタミンバイブル」 アールミンデル 著, 丸元淑生 訳 (小学館)
「ガンは栄養療法で治る」 パトリック・クイリン 著, 今村光一 訳 中央アート出版)
「サプリメント・健康食品の効き目と安全性」 田中平三 著 (同文書院)
◆ 各種ビタミン
ビタミンA (レチノイド)
ビタミンB1 (チアミン)
ビタミンB2 (リボフラビン)
ビタミンB3 (ナイアシン)
ビタミンB5 (パントテン酸)
ビタミンB6 (ピリドキシン)
ビタミンB8 (イノシトール)
ビタミンB9 (葉酸)
ビタミンB12 (コバラミン)
ビタミンC (アスコルビン酸)
ビタミンD (カルシフェロール)
ビタミンE (トコフェロール)
ビタミンF (不飽和脂肪酸)
ビタミンH (ビオチン)
ビタミンK (フィロキシン)
ビタミンP (フラボノール類)
ビタミンT
ビタミンU
コリン
PABA (パラアミノ安息香酸)