rain tree homeもくじ最新号もくじ最新号back number vol.1- もくじBack Numberふろく執筆者別もくじ詩人たちWhat's New閑月忙日最新号rain tree から世界へリンク関富士子の詩集・エッセイなど詩集など
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3月に見つけた花 「おまけ」3月に見つけた花2001.4.11

関富士子の閑月忙日 2001年 4月



4月30日(月)ありがとう

おとといの書きこみはちょっと甘ったれていましたね。ごめんなさい。でもあなたの励ましのおかげで元気が出てきました。なんとか乗り越えようという方向に向かいつつあります。あまり愚痴らないほうなんですけどね。お許しを・・・。

4月28日(土) 詩を書くエネルギー

締め切りがとうに過ぎているのにまだ詩が書けない。わたしは日常的に詩を書いているわけではなく、締め切りにせかされてようやく仕上げるという状態である。ふとしたことで言葉が出てきて、なんとなく詩が書けてしまうということは20代前半までで終わった。そうは見えないと人は言うが、いつも必死に搾り出すようにして書いてきたのだ。もう二度と書けないという不安はあるが、締め切りのたびになんとかかんとかクリアしてきた。書いたものの善し悪しは読む人が決めることで、わたしはいつも書き上げたことそのものに達成感と満足感を得てきた。

このごろはテンションを高めていくリズムがわかってきて、いつもなら、どんなに遅くとも1週間前には心がその準備にかかって、いろいろな生活の狭雑物が追い払われ、頭も身体も詩の思考に向かって傾いてくる。感覚がとがって、必要と感じられる言葉が自然に集められてきて、何かが組み立てられつつあるのがわかる。そうすれば、あとは一気に書くだけだ。詩の書き方は人によってそれぞれ違うだろうが、わたしはこんなふうにしか書けない。

ところが、今回は、詩に関係ないところで、ふとしたことでかきたてられた理不尽な怒りの感情がなかなか静まらないのだ。どうしたらいいのだろう。とても苦しい。怒りの感情だって確かな手応えのあるエネルギーなのだから、それを詩を書くエネルギーにしたってかまわないとは思う。以前は、個人的な不満や苛立ちをばねにして、他者に何事かを訴えかけようとする詩を書いたこともある。しかし、今のわたしにはこうした負の感情は、まともなエネルギーにならないことがわかった。わたしが今求めているのは、心を鎮めて集中力を高めること。シンプルでピュアでまっすぐな、明るくて強い精神状態に入ることだ。


4月25日(水) "rain tree"vol.20発行延期のお知らせ

今日20号を発行する予定でしたが、10日ほど前に愛用のAptivaがダウンしてしまって、悪戦苦闘の挙句修理に出しました。もう一台でなんとかアップしようとがんばったのですが、ツールがいろいろ不備で無理なのがわかりました。この際だからあわてずにゆっくり充電しようというわけで、20号は5月23日(水)に延期しました。訪ねてくださった皆さま。ごめんなさい。中上哲夫さんから原稿をばっちりいただいているので、紙版をさきに発行します。
このAptivaはデスクトップのマシンをプロバイダーとセットで貸与するOCNのPCパックというリースで、OCNのいちばん安いコミデ1時間400円のコースで月々2400円というもの。すぐにインターネットができるようにセットされていて、ロータスのダイアリーやワープロや表計算ソフトが付いている。3年契約で3年間の保障付き。いつも1年ちょっとでパソコンを壊してしまうわたしとしてはありがたいシステム。


4月24日(火) ピクニック

おとといの日曜日に、友人たちとピクニックに出かけた。西武池袋線の熊谷の先にある高麗(こま)の里は、奈良時代に 朝鮮半島の戦乱から日本に逃れて来た高句麗の王、若光とその一族が、時の天皇の保護を受けてこの地に集められ、住みついた土地という。待ち合わせの高麗の駅の空に不思議な雲を見た。虹のように七色できらきらと輝いている。いつまでも消えない。「瑞兆」という言葉が浮かんだ。
山の木々は灰緑から濃い緑まで、繊細な色に変化して激しく揺れていた。花花の咲き乱れる野道を歩き、蛇行する高麗川に沿っていくつも橋を渡った。四つ目の橋から眺めた光景は、「ピクニック」の表紙の絵にそっくりだった。川原の木陰に<朝鮮半島から来た背の高い男>の幻を見た。彼の胸のオリオンの刺青が恋しい。

次の日の朝日新聞に、雲の記事があったので転載しておく。
「青鉛筆01.4.23朝刊 「埼玉県や茨城県、東京都などで22日、横一直線の「にじ」が空に浮かんだ。埼玉県の熊谷地方気象台には30件を超える問い合せがあった。水平環という珍しい現象で、高度5000メートル以上の雲の中で氷の結晶が太陽光を反射して起きる。午前10時半から11時過ぎまで続き、静かに消えた。問い合わせの中には、「地震の前兆か」と不安がる声も。職員は「関係ありません。見ることができた人は幸運だと自信を持って」と太鼓判。」


4月19日(木) 更新のお知らせ

昨日ですが、<詩>に木村恭子 旅支度 縦組み縦スクロール表示をアップしました。
"rain tree" vol.19は4月24日におわります。木村恭子さん、ありがとうございました。新刊vol.20はメインゲストに中上哲夫さんをお招きします。どうぞお楽しみにね。

4月14日(土) 記憶喪失

疲れがたまってくると歯茎がはれるようで、徒歩3分の歯医者さんへ行ったのが一週間ほど前。次の日の11時15分に予約をしたので、その日は朝、目覚まし時計を11時に鳴るようにして仕事にかかった。11時にチリチリ鳴ったので、朝飲み忘れていた歯の薬を飲んで、歯磨きをして出かける用意をしたまでは覚えているが、はっと気づいたら時計は午後一時半になっていた。出かけるのをすっかり忘れてそのまま仕事を続けてしまっていたのである。やばい!とあわてて歯医者さんに電話をする。忘れてしまってごめんなさい!と謝ると、それではと、土曜日の3時45分に予約を入れてくれる。

歯茎もまだはれぼったいし、今度は絶対忘れないぞ、と決意して、カレンダーにも手帳にも書いて、もちろん朝目覚ましを3時30分に合わせる。ところが、またまた時間を忘れてしまった。気がついたら4時30分である。二度続けてのチョンボはまずい・・・と困惑しながら、電話を入れてひたすら謝る。歯医者さんは、来週の水曜日に電話をしてくれ、その日に空いた時間があれば治療をする、という返事だった。やれやれ、どうしてこんなにまぬけでしょうか。

一日中家で仕事をしているのだから、ちょっとその時間だけ出かければいいと思って気が緩んでいるのかもしれない。呆けてきたのかとも思うが、昔からどうもそんな調子だった。午後五時に子供を保育園へ迎えに行くのをときどき忘れた。そういえば、三者面談の時間を二度続けて忘れて、平謝りしたこともあったっけ。熱中癖があって、集中してくると周りのことが何も頭に入らなくなる。そばで人が話していても聞こえない。玄関のピンポンも聞こえない。そんなときに電話があると、相手が名乗っているのにいったいだれなのかすぐにわからなかったりする。ちゃんとした応答ができずにもごもご言っていたりする。

決して約束をすっぽかして平気なわけではない。今でも必死で保育園へ駆けつける夢をときどき見る。遅れるというよりすっぽり忘れてしまうのである。約束の日にちを間違えることもある。仕事の打ち合わせの日を間違えて、一日早く会社に行ってしまったことがあるが、相手はもう準備ができていたので、笑ってその日に打ち合わせをしてくれた。何年もの間中学時代の同級生と年に一度ほど会って食事をしたりしているが、楽しみに出かけたのにだれも来なくて途方に暮れたことがある。もう一度は次の週だと思いこんでいて、当日友達からどうしたの、具合悪いのと心配の電話が掛かり、思わず仮病を使ったこともある。

ところが、仕事の締め切りはたいてい守る。早くはできないが、必ず約束の日には会社に到着しているように仕上げる。そのぐらいでなければフリーの編集者は仕事の注文が来ないのである。子供の用事や自分の都合は言い訳にならない。そうはいっても、会社の方が忙しくなってくると無理な日程での仕事が入るし、断ったりしたらあとが続かないから思わず引き受ける。他社の仕事と重なることもある。若いころはどんどん引き受けて、知り合いのフリー仲間にばらまいて、今度は取りまとめにおおわらわになったりしていたが、今はそんな元気がない。自分にできるだけの仕事を着実にやりたい。それでも雑用はいろいろ入るから、締め切り間際は夜も昼も仕事という状態になる。すると歯茎がはれてくるというわけ。こんな生活をもう30年近く続けてきたんだな。ちょっとお疲れ。


4月11日(水)

<詩>に、木村恭子  縦組み縦スクロール表示をアップしました。

<おまけ>に 関富士子 3月に見つけた花 アップしました。

4月5日(木) お花見電車

武蔵野線は東京駅を起点に、千葉・埼玉を経由して、都心から20KMあたりを環状に東京都府中市までを走る。窓からお花見が楽しめるのは、埼玉の中浦和駅から終点の府中本町まで。円の外側に向かって座るべし。今はほとんど宅地化されてしまったが、ところどころに武蔵野の雑木林が残り、今桜が満開である。
特に見どころは中浦和・北朝霞間の荒川河畔のさくら草公園の桜と、新座・東所沢間の雑木林の桜。北府中・府中本町間の工場や公園の桜もすばらしい。府中本町から南武線に乗り換えると、神奈川の武蔵小杉ぐらいまでも春である。こちらは円の内側に向かって座る。住宅地の庭木が多く、桜に加えて桃など花の木が楽しめる。キウイ畑?の棚がけっこう多くて、今白い花が満開。全部で一時間の花電車というわけ。景色はどんどん過ぎていくので、往復したっていいくらい。

 お花見は好きだけど、いつもまだ肌寒い時期で、風邪を引きそう、あるいは花粉症でお花見どころじゃないのよ、という方、暇はあるけど遠出するオカネはないの、という方も、電車に乗ってぽかぽか居眠りしたり、乗り降りする人を観察しながら、霞のように美しい桜を楽しもう。朝夕でなければたいてい空いていて座れる。もっとも、自然いっぱいの地方からわざわざ見に来るほどのところではない。東京近辺では比較的、という程度なんです。南武線の南多摩は、ホーム脇に見事な桜の並木がある。ちょっと電車を降りて、ホームのベンチでおむすびをいただきながら、はらはらと散る桜を呆然と眺める。こんなことをしているのはわたしくらいかな。

 やはり桜の下を歩かなくちゃという方は、中浦和下車徒歩十分の荒川河川敷のさくら草公園に行くべし。駅に地図が置いてある。桜草橋を渡ると河川敷だが、さくら草公園への道順を示す大きな標識に右への矢印がある。これは間違い。正しくは地図通り左へ行くべし。なぜ間違った標識が立っているのかな? 今はさくら草ではなく黄色い燈台草が満開である。広い河川敷いっぱいに、桜の大樹が枝を広げて、重たげな花を揺らしている。どうやらまだ先端まで咲いていない。今週末までもつでしょう。

4月4日(水) 更新のお知らせ


<詩>に しがつく四月 木村恭子 縦組み縦スクロール表示
<雨の木の下で>に
ピアノ・レッスン(三) 木村恭子
春の詩の催しのご案内をアップしました。
リンク集  更新しました。

この時期の武蔵野線が大好き。沿線は樹木が多くて、見事な桜、桃などの木の花が盛りである。花電車、ってこういうのを言うんじゃなかったっけ? 中央線の先の高尾山は、薄いピンクの桜、浅緑の木の芽に柔らかく彩られはじめた。

4月3日(火) 春よ、来い

来年中学生たちに配られる光村図書出版国語教科書2年用に、松任谷由美の「春よ、来い」が採用されている。未確認だが、他の学年に中島みゆきも載っているらしい。問題を作らなければならないので、CDを聞きながら、何度も読む。

淡き光立つ 俄雨
いとし面影の沈丁花

松任谷由美は鼻声が頭に響きすぎてぼおーとした感じで、特に好きというわけでもなかったのだが、この歌詞は古い言い回しがしっとりとしてとても品がいいね。

夢よ 浅き夢よ わたしはここにいます
君を想いながら ひとり歩いています

おっと、あまり引用すると著作権違反なのでこのくらいにする。
いっしょに載っている谷川俊太郎の「春に」よりずっと好きだな。来年の中学二年生は、この詩を歌って新学期を迎えるんだ。新しい教科書はだいぶページ数が減ってしまって、詩の単元も一つだけ。巻頭に2篇しか載っていない。今までは2単元あったはず。俳句と短歌も一つの単元になって、分量も半減している。どんな詩を教科書で学ぶかは、詩との最初の出会いとして、とても大切な体験だ。わたしも、教科書で初めて読んだ、萩原朔太郎や中原中也や佐藤春夫や村野四郎の詩を今も忘れない。これらの近代詩はいずれ読まれなくなるのかもしれない。今の子供達は、中島みゆきや松任谷由美を詩人として学ぶんだな。そのうち宇多田ヒカルや椎名林檎の歌詞が教科書に載る日が来るかもしれないぞ。


4月1日(日) メル男


花見の宴で久しぶりに会ったアキコはパソコンにはまって一年ほど。口数多くメール攻撃で言い寄ってくる男はだめ。いつのまにかほだされて身も心もつかまったころには、あっちはもう飽きていて、冷酷に捨てられるのよー、とコップ酒をあおる。ふーん、そんなヤツいるのかなー。わたしをだましてー。・・・と笑いながら、夜店で金色に揺れていたエニシダを買って帰る。

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いつもたくさんの詩誌・批評誌、詩集をありがとうございます。遅れがちですが必ず読んでいます。ネットのみなさまにも、どんなものが発行されているのかお知らせします。詩はいつも読者を求めています。読んでみたいという方は、遠慮なく発行者に注文してください。残部があれば喜んで送ってくれます。住所を知りたい方は関にメールをくださいね。

また、桐田真輔さん管理のあざみ書房HP個人誌・同人誌情報では、詩誌の写真や発行者、執筆者、作品紹介、購読案内などの詳しい情報があります。メールで注文できるようになっています。詩誌発行者の登録も随時受付中。ネットで詩誌を通販したいけれど、HPを持つ余裕がないという発行者の方も、ぜひのぞいてみてください。

"rain tree"もどうぞよろしく。

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