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「おまけ」10月に見つけた花 10月に見つけた花

関富士子の閑月忙日 2002年 10月

 10月31日(木) 健康診査結果

基本健康診査の結果を報告せねばなるまい。曽我ひとみさんもどこも悪いところはなかったらしいね。わたしも簡単にいえば異常なし。血圧だけ要精査。様子を見て下がらなければ診察に来るようにと言うことだった。更年期になると高血圧になりやすいらしい。わたしも春ごろまではずっと120台だったのだけど。
胃がん検診でバリウムを飲まされ、磔でぐるぐる回されるのがきつかったが、なんといってもIUDのことである。やはり19年間入れっぱなしというのはまずかった。
「あれ、切れちゃった。」看護婦さんがいまいましそうにカーテンの向こうでつぶやく。IUDについている糸を引っ張れば簡単に取れるはずが、劣化していて切れてしまったのだ。子宮口を広げて中からリングを拾い出さねばならない。広げる器具を挿入して待つこと3時間。鈍い鈍痛。この間に乳がん検査や血液、尿、大腸がんなどの検査結果を聞く。お昼ご飯も食べる。再度診察台に上がって足を広げる。とっても嫌な感じ。女医さんが器具でリングを引っ張るが、あろうことか、子宮の壁にくっ付いちゃっているらしい。敏感なところをぎゅーっと捻り揚げられる痛みが数分続いて、(1分ぐらいか? すごーく長く感じた。)わたしはついに我慢ならず「痛いです。」と訴えた。その瞬間リングが取れた。「はい、これですよ。」見せてくれたのは青い色の魚の骨の形をした3センチほどのプラスチック。そうだった、この形のを入れたんだった。やれやれ、ほっとすると額に脂汗が滲んでいる。数日軽い出血があった。
IUDは、挿入に4万円、取るのに1万7千円かかるが、入れてしまえばわずらわしさがなく体にも影響が少なく避妊も確実。よい避妊具だと思うが、3年ごとに交換すべし。けちってはならない。わたしのような目に遭う。
ところで乳がんの検査も初めて受けたが、有料でレントゲンとエコー検査がある。乳房をプラスチックの板でギュ―と挟んでできるだけ平たくして撮影する。右は痛くなかったが、左はたえがたいほど痛かった。左はまだ乳腺が張っているという。そういえば赤ん坊にお乳を飲ませていたとき、左は右に比べてお乳の出がやや悪かった。それって乳腺の張りに関係あるかしら。まあ、何人も子どもを育てたおばあさんのお乳は、ひろびろと平たくなってますね。

 10月17日(木) 拉致後24年、帰郷した曽我ひとみさんのことば

空も土地も木も
わたしにささやく
おかえりなさい
がんばってきたね
だからわたしは
うれしそうに
帰ってきました
ありがとう
と答えます

 10月16日(水) じぶんのからだ

市の基本健康診査を受ける。勤め人は会社で毎年健康診断があるが、わたしのようなフリー稼業や主婦は、無料で市の健診が受けられる。といっても義務ではないし、今まで病気らしい病気をしたことがないのでのんきなものである。最後に受けたのは5年ほど前か。夏に山歩きをしてから運動不足を痛感し、9月からスポーツクラブに通い始めた。わたしより若い友人が、がんなどで亡くなっている。更年期の最中で、あちこちの不調を訴える友人も多い。もうそんな年齢を迎えたのである。やはり健康診断ぐらいしなくっちゃということになった。

期間は10月末までなので、病院は健診を受ける人でいっぱい。もちろん病人もいっぱい。午前中かかって、心電図とレントゲン撮影と眼底と視力、身長・体重、血圧を調べる。尿と血液を採取して、貧血、脂質、肝機能、腎機能、糖尿病、CRP定量(感染症、悪性腫瘍、膠原病など)検査をする。わたしは子宮がん、夫は肝炎ウイルス検査も行なう。大腸がんの検査の容器をもらって帰る。別の日に肺がんと胃がん、わたしは骨粗しょう症、夫は前立腺がんの検査もするつもり。

内科の問診で、心電図もレントゲンも眼底も異常なし、血圧は92−160でやや高いと言われる。婦人科での子宮触診は子宮も卵巣も異常なし。19年前に入れたIUD(避妊リング)を入れたままにしていたが、来週の検査結果のときに取ってもらうことにする。ほんとうは3年ぐらいで交換しなければいけないのだが、なんともないのをいいことにずぼらをしていた。いやあ、19年間ごくろうさま。リングも、それからわたしの体も。

IUDとは、プラスチック製の輪のようなもので、最近は銅線が巻きつけてあるらしい。子宮内の受精卵が着床するのを妨げる働きをする。産婦人科で装着してもらう。ひもがついていて子宮から膣のほうに出ている。わたしは二人目を出産後に入れたのだが、はじめは生理時の出血量が増えて驚いた。どっとばかりに出るのである。でも半年後ぐらいには正常に戻って、以来、痛みもなく順調に現在に至る。閉経は2年前。女が終わったと思ってしまう人も多いようだが、閉経してもセックスはできる。いやむしろ経験を積んだだけ快感が深まるので期待してよい(^^)/。

わたしとしては、避妊にはIUDが絶対お勧めだが、出産経験のない人には、自然に出てしまうなどで、医者はあまり勧めない。最近低容量ピルが解禁になって、恋人たちにはこちらが多く使われているのだろう。エイズのこともあるから、恋人が不特定の方には、コンドームと併用をお薦めする。とにかく自分の体の知識をしっかりもち、恋人や夫ときちんと話し合うことが大事。自分の体は自分で守ろう。

 10月13日(日) 秋の庭仕事

ノボタン秋は種まきや球根の植付けの季節。去年の秋うみきょんにもらった蓮華草の種。たくさん咲いて実った種を採っておいたものをまた蒔いてみたら、小さな芽がたくさん出た。いつものフリージアや水仙の芽もつんつん伸びている。今年はアネモネの球根を植えてみた。フリルのような芽がたくさん出た。チューリップとスノードロップはまだ芽が出ない。ビオラの種を買ったまままだ蒔いていない。

春に植えた赤いハナカタバミは秋に満開になるはずなのに、逆に咲かなくなってしまった。でも、やはり春に植えたアボガドの種から、秋に芽が5本も出て伸び始めた。一枚だけもらったセイロンベインケイソウの葉は鉢みっつに増えた。3月に沖縄でもらったギシムナアの葉も、4本の苗になっている。
そういえばうちの娘はこの連休、沖縄でダイビングである。よく遊ぶやつだ。

去年植え替えたら咲かなかったタマスダレが、白い清楚な花を次々に咲かせている。野牡丹の鮮やかな紫色の花もどんどん開くが、一日花ですぐ散るので、花びらを拾ってPCのモニターの周りにくっつけてみるが、色が何日も褪せない。風露草やアメリカンブルーやペンタスは春から夏を越えてずっと咲き続けている。デュランタは葉が明るい緑で、花も小さなフリル状で濃い紫の色もきれい。枝が四方に伸びるので、竹ひごでランタン状に作る。

9月になって咲き始めた朝顔と夕顔はそろそろ終わりらしい。庭の北側に咲き始めたのはホトトギス。つぼみをたくさんつけている。夏にタテハの幼虫が大発生したが、他所の家のホトトギスの葉をもらってきて食べさせてなんとか丸坊主にせずに済んだ。ホタルツワブキは3年目にしてようやくつぼみを付け始めた。ブルーサルビアの花はちょっと疲れたような色合い。夏じゅう咲いたルリマツリは花が終わって枝を剪定した。千日紅は乾かしても色が残るので、枝を長く切って窓辺に吊るしておく。

グレープフルーツにはナミアゲハの幼虫は一匹だけになった。みんな蛹になって眠っている。コリアンダーの葉はそのまま料理に使うとにおいがきついが、干してしんなりしたものを枕の間に入れると、干草の甘い香りがする。ゆったりした気持ちで眠りにつく。



 10月11日(金) 鉄塔のある風景

鉄塔 「鉄塔武蔵野線」という映画があった。いい映画だった。写真の鉄塔は、JR武蔵野線に近い見沼田んぼに立ち並ぶ鉄塔群の一つ。尖ったフォルムが美しいけど怖いような。
19歳で都会に出てきて何か怖かったかって、ひとりで銭湯へ行く途中、夜の空にそびえる黒々とした鉄塔が、巨人の姿のようで恐ろしかった。学校や病院とかの3階建てぐらいより高い建物を見たことがなかったんだ。そういえば、ゴルフ練習場の大きなネットも怖かったな―。ひとりぼっちだった。
送電線の近くに住むと病気になるという話があるが、今でも、鉄塔の下に来ると、どうも頭がきんきんするような、異次元の近くに来てしまったような、不思議な感じがする。
4時間ほど歩いて、秋の花をたくさん撮った。あとで「10月に見つけた花」に載せます。秋の風といってもまだ肌寒さはなく、歩いていると汗ばむほど。光の質量は重くなっていて、色づいた実に蜂蜜のようにからまる。

 10月2日(水)"rain tree"vol.24最終更新情報 

<詩>に、宗清友宏
原始の呼吸縦組み縦スクロール表示横組み縦スクロール表示
<雨の木の下で>に、宗清友宏
宇宙のニュートリノ・シャワーの中で

をアップしました。
"rain tree"vol.24の更新は今日で終わります。詩の催し盛りだくさんは随時更新します。
ゲストの宗清友宏さん、ほんとうにありがとうございました。新作やエッセイをたくさん書いてくださいました。
編集作業をしながら、宗清さんと交わした、真摯で濃密な、夢のような2か月。 ちょっとくたびれたわたしに、新鮮な言葉のシャワーを惜しげもなく浴びせてくれた。いい気持ちでしたー。
宗清さん、また気が向きましたら、詩評やエッセイなど、お送りくださいね。今後のご活躍をお祈りします。
次号vol.25は、11月6日から始まります。
詩集『うたつぐみ』でわたしを魅了した山本楡美子さんをお招きします。どうぞお楽しみに。



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