| 外法帖放遊記 |
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第弐拾壱話「傀儡」 |
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父祖の墓前で、思い悩む天戒。 自分たちの悲願のひとつでもあったはずの、藍(菩薩眼の娘)を入手しながら、 自ら逃がしてしまったこと。 それ以上に、彼女との「道」が、はるかに離れてしまったこと――。 鬼道衆の理念と行動にさえ、惑いが差している様子だ。 だが、鬼哭村の大勢の願いを背負った、彼は、首領であり、「御屋形様」なのである。 どんなに迷いが生じても、それを人にみせてはいけないし、 次の行動を決定し、実行させなければいけない。 辛い立場である――。 ★ そして、鬼道衆の次の「行動」は、大川の「川開き」における作戦展開だった。 ニセの将軍で鬼道衆をおびき出そうという幕府の作戦を、 逆に利用して姑息な役人どもを抹殺する、という激しいシロモノだ。
その重要人物である、「雹」に会いに行くよう言い付かった遼次郎。 優秀な「からくり師」であり、 もともと村には居たのだが、あまり他人との付き合いをしないのだそうだ。 まあ、ワケありのヒトばっかりだからね……。
天戒、澳継クンとともに、屋敷を訪れてみると、 出迎えたのからして、信じ難いほど精巧な、「人形の」下女。 人間と信じきって、その無愛想さにカリカリしていた澳継クンなど、 その下女が「糸が弱っていたせい」でいきなり分解してしまったため、 腰を抜かさんばかりに驚いていた(笑)。 さらに、屋敷の主たる雹自身も、巨大なからくり人形「ガンリュウ」に乗って現れる。 彼女自身は、この作戦に乗り気ではないようだ。 あくまでも、恩のある天戒のため、彼の「傀儡」としてなら、やろうと言う。 「ならば、そなたの力、見せてみよ――!」 天戒の、いきなりな言により、いきなりな戦闘に――!
〜ガンリュウでかい(笑)〜
どうやら、天戒が言いたかったのは、 「心を捨てた≪人形≫であろうとすることで、≪人≫であることの痛みから、逃げようとするな。 それは、偽りの生だ――。 俺が欲しいのは、自らの意思で、俺の理想を助けてくれる盟友であって、 ただ俺の言うことをハイハイと聞くだけの人形なら、要らん――」 と、いった趣旨のものであるらしい。 それを理解したのかどうか、ともかく雹は「任務」を請け負ってくれたようだった。
作戦当日――。 雹を迎えに行く遼&澳。 しかし、雹の無機質な対応に、居心地の悪い思いの澳継クンは、 なんであんたは、そんななんだ、とわめく。
雹は――かつて幕府に村を焼かれ、自らも足を斬られ、 逃げることもままならぬ体のまま、 炎の中で侍たちに追い回された恐怖が、トラウマになっているらしい。 そんな彼女を救ったのが、「ガンリュウ」――。 心なき、からくり人形。 そして、炎の中から救い出してくれたのが、「紅蓮の髪の男」であり、 ゆえに、天戒にだけは深い恩義を感じているが、 基本的に「ヒト」が怖いということのようだ。
それでも、ガンとして「心」の大切さを説く遼&澳。 しかし、説得が効を奏したのやら、わからぬうちに、天戒が現れ、出発。
当地である両国は、大混雑。 橋の上にて杏花と出会い、瓦版七号をもらう。 あと、「口寄せ」の見世物小屋をやっている「市子」の話も聞けて、 天戒は「使える」かも――と、桔&澳を送る。
今度は、葛乃とぶつかる遼&天&九。 ――龍造院流槍術対、草薙流長刀術――。 「やってみるかい?」 互いに興味を持つ、九桐と葛乃。 が、その場は別れ、一行は、河原の方へ。
と、遼次郎の頭に、「傾かないで――」という、女性の≪声≫が響く。 そして、一行の耳には、不思議な≪唄≫が……。 そこに居たのは、金色の髪の少女――澳継クンと一緒に見た、 あの見世物小屋の≪人魚≫であった。 (比良坂――!) どうしてここに? と、近付く遼次郎。 そこに、どこかで見たような小悪党面した小男が現れ、 「あんたが行っちまったせいで、取り残されてひでえ目に逢ったんだぞ」 と、遼次郎に食って掛かる。 そーいえば、「こちら」で初めて「目覚めた」時、山小屋で会ったっけ。 さらに、こいつがあの見世物小屋の主人らしく、比良坂をムリヤリ連れていこうとする。 その扱い方があまりに乱暴なため、 根の優しい天戒が、その所業についにブチ切れ、一撃を加えて男をノシてしまった。
「どうする。俺たちと、来るか――?」 行き所がなかろうと、比良坂を誘う天戒。 「いいえ、私はここに残ります。今は、まだ――」 「前」と、同じセリフ――。しかし、 「水箭戸さん」 いきなり呼びかけてくる比良坂。「こちら」で名乗りあったこと、あったっけ? 「あなたは気付いているはず――≪あの時≫わたしが言った、言葉の意味を。 ――陰陽相交わり、太極と成る。太極以って、邪を打ち払わん――。 あなただけが、≪それ≫を成し遂げられる……」 「前」よりも、さらに重みを増した言葉を重ねる、比良坂。 結局、彼女とは、いったん別れる。 「きっとまた――すぐに、逢える……」 謎めいた彼女の言葉に送られて。
ちなみに、桔&澳の調査した「市子」の方は、それなりの力の持ち主だったらしい。 桔梗の「父」を「呼ばせて」みたところ、 「そんなこと、あるはずがない……」と、がたがた震え始めたという。 なにか、トンデもないモノを「降ろして」しまったようだ。 桔梗の父親ってナニモノ? やっぱり、妖……(バキッ!)?
ともあれ、全員揃ったところで、目的の船に忍びこむ一行。 そこに乗っていた幕臣どもは、なんと、雹の村を焼いた張本人どもらしい。 しかも、その襲撃の理由というのが、 優秀な人形師の集団であったその村が作った、「将軍の生き人形」を我が物にして、 「本物」を亡きものとし、幕府の実権を握ることだったのだ。 幕府にとってさえ、獅子身中の虫なのである! その最低っぷりに、怒る澳継クン。 だがその時、雹の乗っているはずの船が燃えている様が見えた。 あわてて助けに行くべく、自分たちの船を乗っ取りに行かんとするが、 そこに立ち塞がったのは、臥龍館の美冬であった!
〜戦闘中〜
負けた美冬を、叱責する幕臣ども。 どこまでも最低なその態度にブチ切れた九桐が、まとめてブッタ斬る。 さらに、自害せんとする美冬を、「生きろボケ」とツッこんでおいて、 さあ、雹を助けに――。 ところが、逃げようとした幕臣のひとりが行燈を倒し、こちらの船も火の海に!
……なんとか川岸にたどり着いた一行。 雹は――と見れば、ガンリュウのおかげもあって、無事だったようだ。よかった。 しかし、結局「人の心」の温かさを信ずるまでには至れなかったらしく、 まだしばらくの間は、「心なき相棒」ガンリュウと、鬼哭村で静かに暮らしたいという。 天戒も、無理強いをするつもりはないようだ。
「――お前が安心して心を取り戻せる世の中を、必ず作る。 だから、それまでは、あの村でゆっくり癒すがよい。 ――その痕(きずあと)を、な」
というわけで、ちまたで評判のよい雹さんを、私は仲間にし損ねました。 また一方で、雹に対する藍の「問題発言」というものがあるらしいのですが、 ソレも私は見てないようです。 なので、どうしてそんなに藍が悪く言われるのやら、とんと理解できません。 「こっち」でなくて「陽」編なのかもしれませんが、 「あっち」でのこの話の日誌を見る通り、別段なにも言ってはいません。 雹さん関係は、良くも悪くも素通りしてしまっているようですね、私ってば……。 |
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