| 外法帖放遊記 |
| 陽……壱話 弐話 参話 四話 伍話 六話 七話 八話 九話 拾話 拾壱話 拾弐話 拾参話 |
| 陰……拾四 拾伍 拾六 拾七 拾八 拾九 弐拾 弐拾壱 弐拾弐 弐拾参 弐拾四 弐拾伍 弐拾六 |
第弐拾伍話「慟哭」後篇 |
|
どうみても桔梗より年下である、少年の口から出た「父親」宣言に、固まる一行。 そこに、「晴明」が説明を垂れる。 ――これ(子供の姿)は、そこらで死んだ子供に「反魂の術」を掛けて蘇らせ、 そこに自分の魂を宿らせた結果である。 そして、桔梗は自分と妖狐との間に生まれた子供なのだ――と。 ★ おのれの出生の秘密を暴露された桔梗、それで本物の「父」と納得はしたようだが、 今度は別の意味で荒れる。 ――幼い頃、父である晴明に捨てられ、半妖であるゆえに行き場のない自分は、 天戒に拾われるまで、言うに言われぬ苦労をした。 そんなあんたが、いまさらどの面下げて自分の前に現れたのか――! 怒る桔梗に、晴明は言う。 「人間など身勝手なもの――我ら父娘の≪力≫なら、こんな人の世など、 簡単にひっくり返せるだろう――」 なんと、妖(あやかし)の一族へのスカウトである。 「ふざけんなっ!」 叫ぶ澳継クン。 「こんな奴でもな、俺の仲間なんだ。命に代えてでも、俺は護るぜ――!」 「では、それを証明して貰いましょうか――」 晴明の言下に、あたりは晴明神社に。テレポートだというのか? そして、式鬼を呼び出す晴明。戦闘へ――。
〜鬼対鬼の対決だ?〜
どうやら、神社は一種の結界に張った幻であったらしく、いつのまにか元の場所に。 そして、晴明は、遼次郎たちと桔梗の「心」を試したものらしかった。 本当は――「あの時」、桔梗を置いて姿を消したのは、 狙われていた敵陰陽師からの攻撃から彼女を護るためだったし――、 今回も、娘の心配をして、様子を見にきたものらしい。 そこで、お政に対する不始末を見て、試してみたくなったものなのだろう。 だが、桔梗の「護りたいものを護るために戦う」心、 そして、同じ心を持った、よき仲間たちに囲まれている様子――。 それらを見て、安心したらしい。 黄泉に還るべく、薄れ行くその姿に、 「あ……あ、待って! お父様――!」 ついに堪りかねて、叫ぶ桔梗。 そんな桔梗に、優しい微笑を向けながら、晴明は消えた。
「二度も」父親を失って、悲しみに泣き崩れる桔梗。 しかし晴明は、去り際に重大な事を伝えて行った。 「等々力不動に、幕府の大群が迫っている」――と。 等々力不動――九角家終焉の地であり、 天戒が今、たった一人で降霊の儀を執り行っている場所でもある。 「今、護るべき人」のため、悲しんでばかりもいられないと、 立ち上がる桔梗。
なんとか、幕軍よりも早く等々力にたどり着けた一行。 と、そこに、なぜか比良坂が。 「≪宿星≫に導かれて来た」――と、謎めいたコトを言う彼女はまず置いて、 幕軍をハメるべく、「八門遁甲の陣」なる罠を張る桔梗。 そこにやって来た幕軍を、首尾良く一網打尽。 あぶれた雑魚を――戦闘へ。
〜だって雑魚だし〜
幕軍を「掃除」し終えた一行の前に、天戒がやって来た。 浮かない表情で、「依代を奪われた――」と。 しかし、桔梗はそんなコトを聞いてはいなかった。 「天戒さま――!」 泣きながら、駆け寄る桔梗。 もう、今の彼女にとって、命まるごと預けて頼るべき存在でもあり、 魂に代えても護るべき存在でもあるのは、彼しかいないのだ。 さきほどまでの出来事で、それを思い知らされた彼女は、 感情の爆発を止めることが出来なかったのだろう。ムリもない。そして―― 「江戸を破壊することが復讐の成就ではないだろうし、ましてや、天戒の真意でさえないだろう。 もっと、自分の幸せのことも、考えて欲しい」 ――と、いったことを切々と訴える。
そこに、突然。 「甘くてヘドがでるね」 などというセリフとともに、蜉蝣(かげろう)なる、怪しい「くのいち」風の女が現れる。 「闇への案内人」だの、「蟲使い」だの、 「ガキはすぐ死ぬから嫌い」だの、「大人はいたぶりがいがある」だの、 包帯だらけのその風体通り、かなりイッちゃっている。 と、そこへ、真っ黒な「符」を顔面に張りつけた、輪を掛けて怪しい男が現れる。 (黒蠅翁――!) 「あの時」を思い出し、気合を入れなおす遼次郎。 しかし、蜉蝣を迎えにきただけらしく、ここでは名乗りすらせず、 その蜉蝣が「まもなくこの世は闇に包まれる――」という「忠告」を一方的に垂れたかと思うと、 とっとと消える二人――。
前々回で、せっかく記憶を取り戻したという設定になった遼次郎(主人公)なのに、 前回、今回と、まるきり出番がありません(笑)。 この「慟哭」前後編は、さながら桔梗と天戒のラブロマンスではありませんか(爆)。 ていうか、桔梗が一人で突っ走ってるだけですケド……。 でも、それを理解してあげて、どっしりと受けとめる天戒の度量がすてき。 ところで……これって、前作「剣風帖」での主人公と葵の関係に似てるんですよね。 「陰」編の「ヒーロー」と「ヒロイン」は、天戒と桔梗ってコトか……。 主役は誰だーー(笑)。 |
| 陽……壱話 弐話 参話 四話 伍話 六話 七話 八話 九話 拾話 拾壱話 拾弐話 拾参話 |
| 陰……拾四 拾伍 拾六 拾七 拾八 拾九 弐拾 弐拾壱 弐拾弐 弐拾参 弐拾四 弐拾伍 弐拾六 |