第参拾参話――最終話「真神」 |
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正月だというのに、桜の花びらが舞い散る花園神社。 「桜吹雪の中での初詣ってのも、妙な気分だな」 初詣と言っても、いつもと変わらぬ着流し姿の京梧が言う。 「富士でのあの戦いが原因らしいんだがな。龍脈が活性化したせいだとか……」 同じく、変わらぬ雲水姿の雄慶が答える。 「えへへっ、きれいだからイイじゃん。あのふたりのおかげだよねっ」 馬子にも衣装というか(笑)、橙色の華やかな晴着を着て、 おきゃんな普段の姿からは見違えるような小鈴が、後ろのふたり連れをふり返った。 質素な普段着から一転して、華麗な、それでいて上品な晴着に身を包んだ、 いつにもまして女性らしい美しさが匂い立つ藍と――、 肩を寄せ合うようにして並んで歩く、遼次郎の無事な姿が、そこにあった。 ★ 他にも大勢の、見知った連中と出会う。 巫女だから当然居る葛乃は、相変わらず騒がしい。 晴着姿の涼理とも出くわし、普段が簡素な忍び装束なだけに、これはまた美しい。 ほのかちゃんも、珍しく「和服」の晴着を着て居たが、いいのか、君は? ああ、切支丹を云々するなら、藍もおんなじか(笑)。 と、その時、樹の影にコソコソと隠れてついてくる者を発見する。 それはなんと、真那たんであった。 藍に着せられた晴着姿が照れくさくて、隠れていたらしい。でも、カワイイよ。 美冬も晴着。稽古着以外の姿は初めてだ(笑)。 でも、新年早々初稽古があるとかで、とっとと退場。忙しいヤツ……。
で、初詣も終えて――。 鬼哭村も気にはなるのだが、百合センセの具合を確かめたいので、竜泉寺へ。 途中、梅月に会う。相変わらずあっさりと挨拶、あっさりと去ったが(笑)。 次に、異様なまでに美しい、晴着姿の見知らぬ可憐な美少女が。 と――声と、話し方からして……ええーーーっ!? お、お花ちゃん!? 桃影っ(笑)!? こ、こんな美人だったのか……衝撃的ナリ(笑)。 あ、他のふたりも居た(←扱いヒド!)。 相変わらず騒がしい大宇宙三人組に呆れていると、突然シド現る。ど、どこから……(笑)。 どうやらシドにとっては、あの三人は実験材料らしい。特殊な衣装とか道具とかの。 三人を追って去ったシドを見送っていると、おおあわての杏花と激突。 どうやら、シドと三人組の関係を怪しいと踏んでいるらしい。さすが、鼻が利く――。 瓦版拾伍号をくれると、あわただしく去る。 と、劉まで現れ、なにやら、杏花に小猿の乱童をいじくりまわされて困る、 ――みたいなことをわめいて消えた。
やっと辿りついた竜泉寺。 ああ、百合センセ、元気そうだ。よかった――。 これから、勝海舟などの開国派と、今後のことを相談するそうである。 そして、なぜか遼次郎に、円空上人から頼みがあるとか――。 部屋に帰る一行を見送って、ひとり「地下」への入り口へと向かう遼次郎。
龍泉洞の入り口――あの時通った、≪龍穴≫への扉。 そこは、なにやら異様な≪気≫が漏れ、あたりが歪んで見えた。 「――あの戦いの影響かの、次元の歪みが生じているようなんじゃ……」 要するに、それを塞いでくれ、という頼みだった。 それが出来るのは、宗崇をも倒した、遼次郎のみ――というわけだ。 「その前に……」 と、円空上人は、ふたつの念珠を差し出した。 これは、互いに引き合い、どんなに離れていても相手の居場所がわかるというモノらしい。 片方を自分が持ち、もう片方を……自分の半身とも思える相手に渡すといいだろう、と。
そんなモノを持ち出すということは、この「仕事」が、きわめて危険である、という証拠だ。 そう言えば、≪龍穴≫とは、人の≪思い≫が実体化する場所だった。 ≪思い≫は、強い≪気≫の流れを産み、それが≪龍脈≫に影響を与えるのだろう。 しかし、その≪気≫の流れが、そもそも歪んでいるのだ――。 きちんと帰ってこれる保証は、なにもない。 どこへ連れていかれるかも、わかったものではない。 なるほど、遼次郎ひとりに任せたのは、能力もさることながら――、 もしもの時の被害を最小限に抑える意味もあるのか。 「……わかりました。この片割れは――もしもの時は、藍に渡してください」 余計な文句は言わず、それだけを伝える遼次郎。 「――わかった。じゃが……できれば無事に帰ってこいよ」 上人の声を背中に、いまや訓練場ならぬ地獄の入り口と化した≪扉≫をくぐる遼次郎。
(↓この先、最後くらいはとばかり、妄想補完の戦闘シーン、フル描写。)
穴の底は――暗闇だった。 闇の中から、聞き覚えのある声がした。 「クックック……ヤット見ツケタゾ、ソノ≪氣≫……!」 そして現れたのは、なんとあの黒蠅翁! 「……なるほど、ここの≪気≫の歪みは、お前のせいか――」 もはや、驚くとかいう気も起こらず、うんざりしたように身構える遼次郎。 「貴様コソハ、≪器≫ナル者――貴様ノ≪力≫ヲ奪エバ……我コソガ王ニ――!」 突如、黒蠅翁は、名前の通りの巨大な蠅――、 遼次郎の何倍もありそうな、巨大な一匹の黒い怪蠅――黒き蠅の王、黒蠅王と化した。 同時に、単なる真っ暗な洞窟だったあたりが、 不気味な鬼火に照らされた、怨霊と巨大な怪蛆のうごめく魔窟に変わった。 「と、いうことは――宗崇とは無関係の、お前個人の野望というわけか? 単なるヤツの傀儡ではなかったというわけだ」 無数の怪物と、巨大な怪蠅を前に、たったひとりで、なおも落ちつき払っている遼次郎。 その自信の拠り所――幾多の強敵を葬り去ってきた秘技が、炸裂する。 「秘拳・黄龍!」 遼次郎の≪気≫に導かれた大地の≪力≫が、 輝く龍の姿と化してその拳から飛び立ち、魔窟に蠢く怪物どもを一掃していく。 遼次郎が拳を引いた時には、 地を這い、宙を漂う怪物どもは、きれいさっぱり居なくなっていた。 「!」 その瞬間、突如背後から、恐ろしい力――≪力≫ではなく、怪力――で、 両腕と胴、両脚を、いっぺんに締め付けられる遼次郎。
「クックック……<秘拳>トハ、滅多ニ見セヌユエニ威力ガアル……。 貴様ノソノ技ハ、我ノヨウナ幻術・妖術トハ違イ……、 アクマデモ<拳>トシテ撃チ出サレネバ形ヲ成サナイトイウコトガ、モウワカッタ。 ナラバ、コウシテ手足ヲ縛ラレレバ、文字通リ手モ足モ出ルマイ――クックック……」 それは、言うまでもなく、いつのまにか背後に回っていた、黒蠅王であった。 六本の脚を使い、いっぺんに三箇所を締めている。 両脚をまとめて締められているため、踏ん張ることが出来ずに、倒れる遼次郎。 「クックック……無様ダナ、遼次郎――。サア、我ガ贄トナレ……」 その、腐汁をなめとるためのハケ状の口が、体液を吸い取るつもりか、巨大な口針に変わった。 そして、身動きがとれぬ遼次郎のうなじに振り下ろされる――その時! 「円空破!」 遼次郎の口から、裂帛の気合がほとばしり、その全身から、凄まじい≪気≫が噴出した。 「グギャアーーー!」 その勢いに弾かれ、脚を引き千切られながら、吹き飛ぶ黒蠅王。 「なるほど、よく研究してあるが――こちらも対抗策くらいは、用意してあるさ。 円空破の術理を、体内を巡る≪気≫の流れに応用させて、 言うなれば――全身を<拳>にしたんだ。……参考になったかな?」 言いながらも、改めて「秘拳」の構えに入る遼次郎。
「オノレ……ダガマダ手ハアル……貴様ニ、コノ動キガ捕ラエラレルカ!?」 と、ビュンビュンとものすごい速さで飛び回り始める黒蠅王。 どうやら、その動きで幻惑して、「拳」の狙いを定めさせない――という作戦らしい。 そして、さすがは蠅の王だけに、 その素早さは、常人はもとより、遼次郎ですら捕らえ難い代物だった。 「む――」 迎撃しようとするが、ちまちまと身体を当てられて、なかなか「構え」に入れない遼次郎。 向こうもカウンターを恐れてか、直撃はできないでいるが、 たぶんスタミナ勝負になると、いかになんでも遼次郎が不利だろう。 しかも――、 「!?」 いつのまにか、遼次郎の足元が、蛆の大群で埋め尽くされていた。 足場を悪くして、動きを止めようというのだろう。それと――、 「モウ一ツノ弱点……両足ヲ大地ニ、シッカリト踏ミシメネバ、大地ノ≪氣≫ハ、 ウマク貴様ノ身体ニ満タセヌコト――!」 「ち」 最初に現れた巨蛆と違い、この蛆はイモ虫程度の大きさだが、それがかえって、 足を踏み変えるたびに踏み潰してしまい、足場を泥沼に変えていく。 それに、生理的な不快感もあって、 確かに動きは鈍り、足の踏ん張りも効かなくなった。 「!」 チャンスと見てか、いささか深い角度での"当たり"を受けて、よろける遼次郎。 あわてて踏みしめた足元が、潰れた蛆の体液で滑り、ついに片ヒザをつき、拳を地に置いた。 「グオオオオ!」 その隙を見逃してたまるものかと、不気味な雄叫びをあげて殺到する黒蠅王。 ヒザをついた姿勢のまま、顔を上げて、それを見据える遼次郎。 瞬間!
「ウギャアアアアア!」 悲鳴は、黒蠅王のものだった。 突如、遼次郎の身体の周りを取り巻くように、凄まじい烈風が大地から吹き上がり、 それは渦を巻いて、横に吹きつける竜巻のような形となり、 殺到する黒蠅王を、真正面から迎え撃って、渦の中に捉え、弾き返したのだ。 黒蠅王は、その渦の中に揉まれながら、見た。 「……蒼キ風ノ龍……青龍ダト!?」 そして黒蠅王が地面に叩きつけられた次の瞬間。 地は水に満たされ、激しい波が黒蠅王の体を弄び、妖蛆どもを洗い流した。 黒蠅王は、波の彼方に見た。 「水ト大地ヲ司ル者……玄武!?」 水が引き、なおも飛び立たんとする黒蠅王は、 背後から巨大な<もの>にのしかかられ、動けなかった。 まるで大地そのものに押さえつけられたようだった。 後ろを振り向いた黒蠅王は、見た。 「大地ノ守護獣――白虎!」 その黒蠅王の周りを、渦巻く炎が取り巻いた。 炎は、鳥の翼の形をしていた。 頭に美しい房をつけた鳥の首が現れ、炎よりも光る瞳で、黒蠅王を睨んだ。 「不死鳥――朱雀……ナンダ、ナニゴトナノダ……」 そして黒蠅王は、炎の翼の向こうに、見た。 完璧な<秘拳>の構えをとった、遼次郎の姿を――。 「俺の弱点……よく調べたものだ。 だが俺は……一度も本当の<秘拳>を撃ったことはない。 お前の言う通り、むやみに撃ちまくると、<秘拳>ではなくなるからな……。 それに、俺の側には、いつも仲間たちがいた。 彼らの≪力≫を信じていたこともあるが――威力がありすぎて、巻き込むのが怖くてな。 だが、ここには俺とお前だけだ。 これが、本当の……四神の≪力≫をも借りる、<本当>の……」 「グオオ、貴様……アノ御方トノ戦イデサエ、≪力≫ヲ抑エテイタト言ウノカ!? コレガ貴様ノ、本当ノ≪力≫ダト……? ソンナ、ソレデハマルデ……マルデ……」 遼次郎の拳に、風の――水の――大地の――炎の、全ての≪力≫が収束し、 輝く黄金の龍と化した! そう、これが<本当>の――、 「秘拳・黄龍!」 「ウギエエエエエエエエエエエエエエエ!」 地獄までも響き渡りそうな悲鳴とともに、黒蠅王の巨体は、木っ端微塵に砕け散った。 今までの「消滅」という形での決着よりも、 よりはっきりと「この世から居なくなった」という実感があった。
そして、気がつくと、辺りは、うっすらと光の差す、乾いた洞窟に戻っていた。 光は、背後の入り口から差していた。 なんのことはない、入り口から数分といった、浅い場所だったのだ。 (……もしかして、今の一撃で、異空間への≪扉≫まで、吹き飛ばしちまったのかな? まあいい。円空上人は、「もうここは塞いでしまってくれ」と言ってたし――、 あの訓練場も、≪龍穴≫も、もう使うことはあるまい……。なんにせよ、これで――) ――藍には、自分の手で、あの念殊を渡しに行ける――。 遼次郎は、単なる洞窟に戻った龍泉洞の、入り口の明りに向かって、歩き出した。
「――ご苦労さま……」 開口一番、藍は、困ったようなほっとしたような、複雑な表情で、そう言った。 (気付いていた……?) 小石川の療養所にやってきた遼次郎は、いきなりの藍の言葉に、汗をかいた。 (そうか、藍は≪菩薩眼の娘≫――龍脈の真っ只中な≪龍穴≫なんかで戦っていれば、 それは丸見えで当然だったのかも――) 「それほどでもないのよ。ただ、あなたが一人で、大変な戦いをしていることが――、 なんとなく、感じられただけ。 駆けつけたかったけど……かえって、足手まといになりそうだったし、 あなたなら大丈夫だって……信じられたから。 でも、信じる心とは別に、とっても心配ではあったけれど……」 「ごめん。きみには、知らせるべきだったね。でも、声を掛ける暇がなかった……」 「ううん、いいの。こうして、無事だったんだし――あなたにしかできないこと……だったから」 「……藍」 ふところから、あの念殊を取り出す遼次郎。 「遼次郎……これは?」 遼次郎は、不思議そうに念殊を見つめる藍に、その「効能」についての説明をした。 「それを……私に?」 ちょっとためらいがちに訊く藍。静かに頷く遼次郎。 念殊を受け取った藍は、それを胸に抱きしめるようにして握り締め――、 幸せをかみしめるように、口元に笑みを湛えて、少しの間、目を閉じた。 そして目を開け、言った。 「……遼次郎。少し、歩きましょう」
街道の桜並木は、満開だった。 桜吹雪の中、風になびく藍の長い黒髪を、遼次郎はとても眩しく見つめた。 「――うふふ。何度見ても、不思議ね。お正月に咲く桜。 ……ねえ、覚えている? 私たちが出会った時も、こんなふうに、桜が咲いていたよね」 「――ああ、そうだったね。まるで、何年も昔みたいな気がするけど…… 一年と経っていないってことになるのか。妙な気分だな」 「そう。私たちは、まだ出会って、一年も経っていない……。 でも、これからは――ずっと、いっしょでいられるよね……?」 「え?」 ちょっと意表をつかれて、遼次郎はきょとんとした。 「ねえ遼次郎。ずっと……そばにいて。 私――あなたと生きていきたい。 これから先、どんなことがあっても、あなたと……一緒にいたい……!」 それは、聞きようによっては、プロポーズの言葉にも聞こえた。 いや、藍はもう、そのつもりで言っているのだろう。 その目は、夢や憧れに潤んではおらず、真剣に「遼次郎」という「現実」を見つめていた。 遼次郎も、真剣に応える。 「――そうだね。本当は、こんな念殊なんて、必要ないかもしれない。 ……ふたりで、一緒に暮らしていれば、ね」 「――遼次郎……それって……」 「一緒に暮らそう。これから、時代は激しく変わるだろうけれど、 二人でなら……なにも恐れることはない。 そして、君を幸せに――いや、君と一緒に、幸せになりたい――」 「嬉しい――遼次郎!」 感極まって、遼次郎の胸に飛びこむ藍。 やさしく抱き留める遼次郎。 そして、そんな二人を祝福するかのように、舞い踊る桜吹雪。
やがて、予想通りに時代は大きく転換した。 「大政奉還」が行われ、幕府は自らその政権を手放すことで、倒幕の戦争を止めた。 そんな中、竜泉寺は――、 なんと、「真神学舎」という名の「学園」に変わっていた。 校長は、百合センセ。 教員として、犬神杜人の姿が――。 「ようこそ――桜の杜――真神の園へ――」
こうして、宿星は新たに巡り始める。
「東京魔人学園外法帖」――完。
(↓あとがき↓) はあ……やっと終わりました。 もー、めっきり時期外れになっちまいましたが、「外法帖プレイ日誌」、これにて終了。 今回は、最後ということで、戦闘シーンに力を入れて妄想補完描写してみましたが……、 なんかもーひとつ書き足りませんでしたね。 黒蠅王の恐ろしさを、演出しきれなかったのが敗因です。 両者の細かな行動も、描写が足りないきらいが。 ――てか、遼次郎が強すぎ(笑)。 ちなみにあのバトルシーンのイメージは、ウ○トラマンです! 最後の「秘拳・黄龍」なんて、スペシ○ム光線以外の何者でもありません。 だって、まるきり光線技じゃないですか(笑)。 まあ、初代より、平成版ウルト○マンのティガの最終回ですかね。 世界中の「光」を集め、今まで一度も見せたことのない「秘技」で、 闇の権化を木っ端微塵に打ち砕く、と。 そんで、最後はヒロインとラブラブで「よかったね!」と終わるあたりも。 ただ、そこに至るシナリオ・演出ともに、ウチのが激しく劣ります。 くやしいなあ。もっと付け足すべきだったか。 藍と「黄龍ラブラブ菩薩拳」使わせるとか(ダメだろう……そりゃ)。
しかし、まさかラストでご成婚になってしまうとは、思いもよりませんでした(笑)。 ゲーム本編の方では、そこまでは描かれません。 なにより、主人公の言葉はシステム上、直接は出ないもんですし。 ただ、藍の「あなたと生きていきたい、ずっと一緒にいたい」 ――というセリフはそのままですし、それは聞きようによっちゃプロポーズです。 だから、あのように。 この二人、恋愛に関しては、藍がビシビシ引っ張ってましたねえ……。 尻に敷かれるか?(笑)
そして、「時代劇なのに、なぜ魔人<学園>なのか?」という疑問も、ラストで氷解します。 犬神さん、後(ホントに気が遠くなるほどの「後」(笑))に言ってた「約束」って、 ――百合センセとのことなのかな? それとも、ホントに出るかどうか怪しい「魔人3」でなんか描かれるもんなのか……?
――「外法帖」の総括――
まあ、さんざ言われていることですが、各キャラの掘り下げが足りませんでしたねえ。 もっと出番があればと、もったいないキャラ目白押しです。 個人的には、真那たん、ほのかちゃん、御神槌、なんてとこですか。 てか、藍とのラブラブの進行具合を、まったく演出してくれないのが、納得いかん!(笑) 前作では、よくも悪くも、メインストリームは葵とのラブストーリーでした。 対抗馬はたくさんいましたが、基本的には、 彼女との絆が深まる様を、たんねんに演出していました。 だからこそ、こんなに葵ファンにハマッたのです。 ですが今回は……極力まんべんなく平等に――ってなカンジで、かえって平坦に。 まあ、逆に言えば、それだけ魅力的なキャラが多かった、とも言えますが。
シナリオは……正直言って、かなり破綻してますね。 特に問題なのは、「前世」(陽→陰なら陽)での記憶はどうなっているのか、ということです。 作品中では、まるっきり言及されてません。 「妄想補完」での辻褄合わせが大変でした。日誌のみならず、プレイ中も! ただ、鬼と龍の合体は、ダブルヒーロー勢揃い、ってな感じでよかったんですが。 あとは、前作のプレイヤーなら、「ラスボス」がわかっている、という点も、ちょっと……。 これが「初魔人」のヒトは、こんどはEDが理解に苦しむでせうし。 「真神学園」になったから、どーした? でせう。 あまりに長大かつキャラを出しすぎて、破綻してしまった、というとこですかね……。 その、かもしだす「魔人」らしい「空気」、それはおいしかったんですケド。
音楽は文句なし。 ただ、使い回しが多かったのは……シリーズ物として、統一感を出したんでせうけど。 あと、「現世ノ止事無キ左太」が使われていない(少なくとも、私は聴けなかった)のも残念。
ここまで長々と日誌を書き綴ってきたくらいで、決してツマらなかったワケではないです。 資料用にと、チラホラと再プレイもして、その時も、しっかり面白かったです。 ただ、それだけに、「惜しいなあ……」と思うトコロが多々ありすぎました。 最終的な印象としては、「詰め込みすぎだよぅ」ですか……。
では、これにてひとまずは幕。 読んで下さった方、ありがたうございました。 全話つきあって下さった方など、まさかにいらっしゃいましたら、 全力で叩頭の礼をしながら、御礼申し上げます(笑)。
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