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その30 : わびしすぎた「ワカメいため」
2003.3.13
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我が家の下調べに来た「ニッポンの超節約家族」のNディレクターが聞いた。
「暖房はこの薪ストーブだけで、もっと寒い日はご主人、どうするんですか?」
「まあ、腹筋とか・・・」
「え?」
わずかな沈黙の後、N氏は言った。
「素晴らしい!まさに番組の主旨にピッタリです」
この番組は以前は「ドケチ家族」とかいうタイトルで、埼玉時代に僕もよく観ては「ひどいケチな人がいるもんだねえ」と笑っていたやつだ。
まさか、これに自分が出ることになろうとは・・・。
「うちには節約のテクニックなんてありませんから」と言っているのに、N氏は我が家を、立派な「超節約家族」と認定してしまったようなのだ。
「この『ワカメいため』って・・・?」
「ああ、ただ水でもどしたワカメをいためるだけです」
「おかずはそれだけですか?」
「ええ」
「・・・素晴らしい!」ということで、定番メニューのワカメいためでの夕食の撮影が行われた。
しかし黒いワカメをうちの真っ黒なフライパンでいためると、ただ黒いだけで何が何だかわからないという事態になってしまった。
「もっとライト、明るくならないの!?」
「見えないね、これじゃ」
「弱ったな・・・」
白い皿に盛ってみると(普段は全く意識しなかったが)、妙にわびしい、さみしい一品だと気づかされた。
←うわさのワカメいため
「うーん、これはねえ・・・」
「『肉なし焼肉』の方はまあ、いい画になったけど、これはあまりにも・・・」
放送日はまだだが、おそらく「ワカメいため」はカットされるだろう。
(編集人注・カットされました)
それにしても、わびしい生活を撮る節約番組で「わびしすぎる」と判断されてしまう、我が家の定番メニューとは・・・。うーむ。
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